大阪の魅力たっぷり西加奈子さんの小説「通天閣」【今日のセレクト本vol.35】

大阪の魅力全開の小説が、西加奈子さんの「通天閣」です。「大阪をなめたらあかんで!!」と言われているような気持ちになりました。

こちらの記事では、大阪の空気がたっぷり詰まった西加奈子さんの『通天閣』をご紹介します。ネタバレしないあらすじと感想・本の魅力を解説します。

通天閣のネタバレなしのあらすじ

「通天閣」の舞台は、通天閣のふもと、大阪ミナミ。主人公は恋人マメがニューヨークに行っちゃった私(雪ちゃん)と、工場に勤めている俺の2人です。

「私」は一途な女の子

恋人のマメが急にニューヨークに行ってからというもの、私は置いていかれてしまいます。でも一途にマメのことを思って待つことにします。

マメも頑張っているからと、これまでやっていた昼の仕事はやめて、スナックの黒服として夜の仕事をしながら耐え抜いています。

「俺」は工場勤務の男

そしてもう1人の主人公の俺は、工場に勤めながら、人生を淡々とやり過ごしているような人間です。アパートも服もボロそうだし、ご飯も決まったものしか食べない。なんでこんな人生になっちゃったの?というほど達観した、平坦な暮らしをつらぬく男です。

最後の急展開に引き込まれるのがお楽しみ

この2人、全然関係ない2人かと思いきや、最後はまさかまさかの展開でびっくりしました!大阪はお節介で、人の距離も近くて、温度感が全然違くて新鮮でした。

ちょっと汚くて貧しい感じがしたのは、地域がらなのでしょうか?まだ日本にもこういうエリアがあるのかと思うと、異世界の外国を覗いているような気持ちになりました。

通天閣の魅力・感想

通天閣を読んだ感想と魅力をまとめると、以下の2つ。

①ゴリゴリの大阪を感じる
②西加奈子ワールドに圧倒される

それぞれについて解説します。

①ゴリゴリの大阪を感じる

ゴリゴリの大阪を感じざるを得ない!というのが1番の感想でした。実はこちらの本は、知り合いの人に教えったもので「音読をしてみてください」とおすすめされました。

ちょっとは東京から西側に住んでもう9年になるので、ちょっとは大阪弁も話せるようになっていたかと思いきや…!本当に笑えてくるほど、わたしのエセ関西弁はひどすぎました!自分でも読み続けられない。

というか、発音がわからない。関西弁ってとっても難しいのは今も昔も変わりませんでした。「大阪をなめてもらったらこまんで!」と言われているようでした。

②西加奈子ワールドに圧倒される

そして2つ目の魅力は、西加奈子ワールドに圧倒されるということ。正直、何が何だかわからない、西加奈子ワールドと大阪という世界に圧倒された時間でした。

今度は大阪を知りたいと思ったときに、もう一度、じっくりと読みたいと思います。その時はきっと、うまく読めるはず。大阪の人、大阪が興味ある人はきっと面白い本です。

通天閣のまとめ

通天閣は大阪の魅力、そして西加奈子さんの世界観がたっぷり詰まった1冊です。これを読んで大阪にいきましたが、西成地区が「ここかー!!」という考え深い地区になりました。

大阪好きな人、憧れのある人にたまらない小説になるはずです。

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倦怠期カップルにおすすめ小説!僕らのごはんは明日で待ってる【今日の本vol.43】

身近な人を大切にしている気持ちって、毎日を忙しく過ごしていると忘れがちになりませんか?「支えてくれることに感謝をしなきゃ」と思ってもなかなかできない…けど、そんな気持ちに気づかせてくれる倦怠期カップルにおすすめの小説があります。

こちらの記事では瀬尾まいこさんの「僕らのごはんは明日で待ってる」を特集しました。映画化された小説としても有名で、ネタバレなしのあらすじと感想、キャストをご紹介します。

僕らのごはんは明日で待ってる ネタバレなしの小説あらすじ

中学校の時は明るかった葉山くん。お兄ちゃんが亡くなってからというもの、読書か、たそがれる高校生活を送っていました。誰とも話さずにバリアを張って、暗い嫌われ者。。

そんなある日、体育祭をきっかけに上村小春と話すようになり、葉山くんにも変化が訪れます。2人で行ったのは米袋に2人で入って、両足でジャンプしてひたすらゴールを目指す競技の米袋ジャンプ。

この練習をきっかけに葉山くんに小春が絡むようになり、少しずつ変わっていくことになりました。そんなストーリーは2人の高校生活、大学、卒業してからの生活まで続いていきます。結末は読んでのお楽しみ・・・♡

僕らのごはんは明日で待ってる 小説の感想と魅力

小説「僕らのごはんは明日で待ってる」を読んだ感想と魅力をまとめると、以下の2つ。

①倦怠期カップルにおすすめ
②いい意味で裏切られる

それぞれについて解説していきます!

①倦怠期カップルにおすすめ

高校生の時のピュアな2人から、大学生と大人になっていく過程の中で、だんだん2人も大人になっていきます。だけどブレないところや、相手が自分を想っていることの信じられる力は力強くて、感心してしまうほどでした!

読みながら2人の成長を見守っている気持ちになりました。相手を大事に想うことや、これまでの感謝の気持ちを言葉にしたり、自覚したりするのってすごく難しいことだと思う。

だからこそ、この2人を見ていると、それを口に出してきちんと表現しているから素敵だなと思いました。ぜひ、倦怠期のカップルにぜひ読んでみてほしいです。

②いい意味で裏切られる

読む前は、装丁から「ほんわかごはん系」をイメージしていましたが、いい意味で裏切られるストーリーです。しかし、今回はうまく期待を裏切られ、ほんわかキャラとは正反対の小春に共感を持てました。

映画化されちゃうストーリー展開にきっと一気読みしたくなるはずです。

映画 僕らのごはんは明日で待ってる のキャスト

せっかくなので、僕らのごはんは明日で待ってる(2017年)の映画のキャストをご紹介します。予告編の動画も一緒に見てみてくださいね。メインキャストは以下のとおり。

中島裕翔
新木優子
美山加恋
岡山天音
片桐はいり
松原智恵子

ロケ地は埼玉県のデパートなどが使われていて、主題歌はケツメイシの「僕らのために…」。DVDも発売されているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。

僕らのごはんは明日で待ってる 小説のまとめ

僕らのごはんは明日で待ってるは、食べ物がちょこちょこと出て来るのですが、中でもケンタッキーとポカリ、ふりかけが欲しくなりました。小説を読むときは、この3つをおともに読むのがおすすめです。

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40代女性のリアルな小説「ご機嫌な彼女たち」【今日のセレクト本vol.10】

こちらの記事では、40代のリアルな現実を読みたくなるときにおすすめな小説をご紹介します。離婚、年下の彼、口を聞いてくれない娘などそれぞれ悩みを抱えている4人のお話。

石井睦美さんの「ご機嫌な彼女たち」をピックアップしました。ネタバレしないあらすじ、内容、本の感想や魅力をご紹介します。

ご機嫌な彼女たちのあらすじ・内容

ご機嫌な彼女たちは、子育ても仕事も頑張るシングルマザー4人のお話です。

年下の恋人がいるスタイリストの万起子、離婚に傷ついた作家の寧、夫を亡くした料理家の崇子、娘が口をきいてくれないスーパーの正社員美香と全員バラバラの境遇。

年もバラバラなのに子育てを通して助け合っている姿はとても素敵でした。

ご機嫌な彼女たちの感想・魅力

ごきげんな彼女たちを読んで感じた魅力は、以下の3つ。

①朝まで話せる友達が欲しくなる
②子供の視点で新しい気づきがある
③最後泣きそうになる!

それぞれ詳しくみていきましょう。

①朝まで話せる友達が欲しくなる

1つ目の魅力は、朝まで話せる友達が欲しくなること。みんな人には言えない悩みや見栄もあるけれど、そういうことを乗り越えて大人になってから繋がり合えることって憧れてしまいます。朝まで話せる友達ってすごく貴重!

②子供の視点で新しい気づきがある

そして2つ目の魅力は、子供の視点で新しい気づきがあること。大人から見た子供の視点が多いのですが、途中で子供視点で描かれています。

子供は子供で「親に迷惑をかけないように」とか、親に「気づいてもらいたい」という気持ちから行動を起こしているんですよね。今大人になってしまうとそうゆう視点や考え方を忘れてしまうので、とても新鮮に映りました。

大人になってから得た良い「鈍感力」は自己中に陥りやすいのではないかとふと反省。いろんな人の立場から考える大切さを感じました。子育て中のママや、子育てがひと段落した人にもおすすめです。

③最後泣きそうになる!

最後には13年後の話も出てくるのですが、思わず泣きそうになってしまいました。どんな親でも愛に溢れていて、子供を大切に思いたくても思えないときもあるけれど、結局仲良くやっていきたいんだなということを感じてしまいました。

という私はまだ子供がいないので、そんな妄想をしていました。素敵なママ友が欲しい!

時間がなくてとても早く読んでしまったので、今度はもっとじっくりと時間をかけて味わいたいなと思います。子供ができたり、成長したときに、自分の成長具合を確かめながらまた読みたいなと思う本でした。

未来を夢見る人や、仕事を頑張る女性、年代を超えて楽しみたい小説を探している人など、いろんな年齢の女性たちの胸に届く小説だと思います。

ご機嫌な彼女たちのまとめ

ご機嫌な彼女たちは、30代の私にとっては「こんな未来も素敵」と思える未来像を見せてくれました。40代のリアルな生活を垣間見るのにぴったりな一冊です。

 

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世界の名作!よかった探しで幸せをつかむ「少女ポリアンナ」【今日の本vol.25】

グチを言いたくなるときに思い出したくなるのが、よかった探しで幸せをつかんだ少女ポリアンナです。児童書ですが思わず勇気がもらえる名言もあり、大人になってから読みたい本でもあります。

そこでこちらの記事では、エレナ・ホグマン・ポーター著の「少女ポリアンナ」をピックアップしました。本のあらすじや内容、魅力をご紹介します。

少女ポリアンナのあらすじ・内容

11歳の少女ポリアンナは、両親をなくし、ちょっと意地悪な叔母の家に引き取られました。かわいそうな子かと思いきや、お父さんとしていた「嬉しい探し」ゲームを続けているのでハッピーです。

「幸せゲーム」で周りの人たちの心を温め、自分の環境もハッピーにしていくストーリーです。

少女ポリアンナの感想・魅力

少女ポリアンナの魅力は以下の3つ。

①超絶ポジティブ思考を学べる
②今に幸せを感じる方法がわかる
③学びが多い

それぞれについてみていきましょう。

①超絶ポジティブ思考を学べる

ポリアンナは、超絶ポジティブ思考です。ポリアンナがしている「嬉しい探し」ゲームは、どんなことも嬉しいと思えることがあるということを探すこと。

たとえばお人形が欲しかったのに、プレゼントに松葉杖をもらってしまったときは、「松葉杖が必要なかったことが嬉しいこと」と考えます。

だから、「出会えたことが嬉しい!」「足が使えなくても、手が使えることが嬉しい!」というふうに、新しい側面を発見して喜んでいけるんです。この変換術は私たちの日常でも使える、超絶ポジティブ思考でしょう。

②今に幸せを感じる方法がわかる

そして2つ目は、今に幸せを感じる方法がわかること。ポリアンナの考え方は、11歳の女の子がやっていることでちっとも難しくありません。今、もし落ち込んだり、うまくいっていない事があるときは、「嬉しい探し」ゲームをおすすめします。

その後ポリアンナがどうなったかというと、どんなことでも嬉しいと思えることがあることを、出会う人にも伝えていきます。叔母さんに引き取られてから、新しい街に来たというのにポリアンナの明るくておしゃべりな性格のおかげでいろいろな人とお知り合いになります。

「嬉しい探し」ゲームが街中の人に広まり、大人たちにも変化が起こっていくんです。どんな状況でもいいところを探すことで、こんなにハッピーになれるんだなということを実感できます。

③学びが多い

そして3つ目は、学びが多いこと!ポリアンナって子供用の本ですが、大人が読んでも退屈しないし、ボリュームもなかなかあります。たとえば以下のようなシンプルだけど大切なことが学べます。

● 気持ちの良い挨拶
● おしゃべりに話すこと
● 「わぁ!嬉しい!」と素直に喜ぶこと
● 物事の見方を変えてみること

ビジネスの基本ともいえるエッセンスが詰まっていました。よく会社員時代にトップが朝礼の時に言っていたな〜なんてことばかり。簡単にできるからこそ、できないことも目立ってしまうんですよね。

私もまだまだできないこともあるから頑張ります!ポリアンナ的にいうと「31歳になっても頑張れることがあるって、嬉しいわ!」てきな?(笑)

少女ポリアンナは社会人にもおすすめ

実はこちらの少女ポリアンナは、社会人になる前に会社の先輩から教えられた本です。

ポリアンナのように良いところ探しをしてください

という言葉をかけられて、読んだことがなかったので「?」でしたが、その答えが読んでわかりました。どんな状況においてもポリアンナのようにいいところを探して、人生ハッピーにしていけば困ったことなんてないということ。

もし今何か壁にぶち当たっている人がいたら、ポリアンナがヒントをくれるかもしれません。

少女ポリアンナの豆知識

最後に少女ポリアンナの豆知識をご紹介します。アニメと心理学で使われる用語について、みていきましょう。

アニメ愛少女ポリアンナ

こちらの原作をアニメ化した「愛少女ポリアンナ物語」が、1986年1月5日〜12月28日までフジテレビで放送されていました。現在はYoutubeで見ることもできるので、ご興味ある人はチェックしてみてくださいね。

ポリアンナ=楽観的な人という意味

この小説から派生して、「ポリアンナ=極端に楽観的な人物」で使われるようにもなりました。心理学で「ポリアンナ症候群」「ポリアンナ効果」とも使われています。

少女ポリアンナのまとめ

少女ポリアンナは、物の見方を変えるヒントをくれたり、素敵な行動ができそうな前向きな気持ちにさせてくれる本です。周りの人との関係をうまく構築したいときや、新社会人、新しい生活が始まる人にもピッタリでしょう。

仕事もプライベートも素敵にカスタマイズできるかもしれません♡

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ゴッホの魅力がかる小説!たゆたえども沈まず【今日のセレクト本vol.17】

名作を読んで泣きたいときってありますよね。そんなときにおすすめなのが、画家ゴッホを題材にした小説です。

こちらの記事では、原田マハさんの「たゆたえども沈まず」をピックアップしました。ネタバレしないあらすじ、魅力をご紹介します。

たゆたえども沈まずのあらすじ

「たゆたえども沈まず」は、ゴッホを題材にしたアートフィクションの小説です。舞台はゴッホの生きていた1980年〜1990年代の19世紀末が描かれています。

私たちがパリの景色だと思っている「エッフェル塔」がちょうど建てられている時代です。物語に出てくるのは、ゴッホ、彼を支える弟のテオ、日本人画商の林忠正、助手の重吉。彼らが無名画家のゴッホに出会い、支えていく様子が描かれています。

現在は文庫も発売されています。

たゆたえども沈まずの魅力

たゆたえども沈まずの魅力は以下の3つ。

①日本美術とパリの関係が分かる
②ゴッホの絵の価値が伝わる
③パリに行きたくなる

詳しく解説していきます。

①日本美術とパリの関係が分かる

まず1つ目は、日本美術とパリの関係がわかること。パリでは当時「ジャポニズム」という日本美術が流行っていて、それに関わっていたのが日本人画商の忠正と重吉でした。ただ日本に住んでいるだけでは知ることができない、当時の美術史も垣間見ることができます。

②ゴッホの絵の価値が伝わる

そして2つ目は、ゴッホの絵の価値が伝わってくること。ゴッホは「生きている間に売れなかった画家」としても有名だと思います。それがどんなに辛くて、1つ1つの絵を苦労して生み出されたのかということが全然わかっていなかったことに気づきました。

当時は画家が一種の職業のようにいた時代。モネやマネ、ゴーギャンなども出てきます!(世界史で出てきた人物がいっぺんに出てくるからびっくり)貴族の中では絵を飾ることがステータスで、ご婦人たちは新しい絵を買うことを日常的に行っていました。

その中で1枚も売れない絵を描き続けるフィンセント。自分の才能を認められない苦悩は自分だけでなく、支える家族のテオも同じでした。フィンセント(ゴッホ)と弟のテオの絆が深くて、お互いを思いやる兄弟愛に涙しました。あーまた泣きそうです。

③パリに行きたくなる

読んでいるだけでパリにいるような気分に浸れた2日間でした。気になってどんどん読み進めてしまったからすぐ読み終わっちゃった。

パリにもゴッホ兄弟のふるさとオランダにも行ってみたい。下手したら暗くなりそうな題材を全然そんな空気にせず、美しく、毅然と、それぞれのキャラクターをきっとそのままに私たちに伝えてくれました。

涙涙で、また読みたいです。確実に私の今年のベスト本ランキングに入ってきそうな勢いです!マハさん天才!

たゆたえども沈まずのまとめ

たゆたえども沈まずは、涙ありの名言ありの素晴らしい小説でした。大切に大切に何度も読んでいきたいような物語。ゴッホを知らない人も、ゴッホがなんとなく好きだという人も、きっとさらに魅力に取り憑かれてしまうことでしょう!(こちらを読んでからゴッホ展に行ったら最高でした♡)

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鎌倉の代筆屋が舞台の「ツバキ文具店」【今日のセレクト本vol.41】

鎌倉を舞台にした代筆屋の小説が「ツバキ文具店」。2016年4月に幻冬社から発売されて、2017年本屋大賞第4位、2017年4月にはラジオドラマ、NHK総合ドラマ「ツバキ文具店〜鎌倉代筆屋物語」にもなった話題作です。

こちらの記事では、原作の小川糸さんの「ツバキ文具店」をご紹介します。本のあらすじや魅力・感想、続編の情報もまとめました。手紙好きな人、小川糸さん好きな人にたまらない一冊です。

「ツバキ文具店」のあらすじ

「ツバキ文具店」は、鎌倉で代々続く代筆屋をモデルにした小説です。先代から受け継いだ11代目のポッポちゃん(鳩子)は、代筆屋として年賀状の宛名書きから離婚の報告、絶縁状までたくさんのお手紙をしたためます。

お隣のバーバラ夫人、仲良しのパンティー、QPちゃん、男爵などチャーミングな登場人物たちがたくさん出てきてにぎやかです。春夏秋冬の1年を通じてツバキ文具店のポッポちゃんを中心に、鎌倉の四季を感じることができます。

「ツバキ文具店」の魅力・感想

「ツバキ文具店」の魅力は以下の2つ!

①手紙の奥深さを感じられる
②幸せになれるおまじないが素敵

詳しく解説していきます。

①手紙の奥深さを感じられる

本の中では実際の直筆のお手紙も出てきます。「なるほど」と思わず見入ってしまうほど美しく、書く相手や内容によって、字体や紙質、ペンまで変えているんです。

手紙好きのわたしは「なんだ、ただのズブの素人だった!」と思ってしまうほどの、手紙への知識やお作法はたくさんありました。絶縁状には切れない羊皮紙を、金を貸せないと思わせたい相手には切手も料金より多く貼るなど、ポッポちゃんの相手や手紙の意図を考えて出す手紙はとっても印象的でした。

②幸せになれるおまじないが素敵

そして幸せになれるおまじないが出てくるのですが、とても素敵でした。「幸せになれる秘密のおまじない」としてお隣のバーバラ婦人がポッポちゃんに教えてくれます。

あのね、心の中で、キラキラ、って言うの。

わたしも「キラキラ」と心の中で唱えながら青空を見てみたら、とっても簡単な言葉なのに世界がきらめいて見えました!小川糸さんのこういう丁寧で、ちょっとした空気を変えるような言葉の選び方が好きです。

「ツバキ文具店」のまとめ

「ツバキ文具店」は小説の中身も素晴らしいですが、装丁もとても綺麗なのでじっくり見て欲しいです。実際の手紙の文章は、文字の書体も書き方も異なるので、手紙の真髄が伝わってきます。

「ツバキ文具店」の続編

ツバキ文具店は続編も出ているので、最後に簡単にご紹介します。

キラキラ共和国

キラキラ共和国は、ツバキ文具店の続きのお話。その後のポッポちゃんとQPちゃんたちのお話が綴られています。いきなり話が進んでいたのでびっくりしたけれど、相変わらずとても良い話だったのでお気に入りのシリーズです。

 

ツバキ文具店の鎌倉案内

「ツバキ文具店の鎌倉案内」は、「キラキラ共和国」が出版される前に発売されたツバキ文具店の店主・鳩子のエッセイです。初デートで行ったカレー屋さんや、男爵がご馳走してくれたうなぎなど、ツバキ文具店をまた違った角度から楽しめます。

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ドラマ「つるかめ助産院」の原作小説【今日のセレクト本vol.33】

NHKドラマ「つるかめ助産院」の原作小説は、ほっこり温かい気持ちになれます。十月十日の神秘や、両親への感謝の気持ちが込み上げてくる物語。

こちらの記事では、集英社文庫から出版されている小川糸さんの「つるかめ助産院」をピックアップしました。ネタバレしないあらすじ、魅力・感想、ドラマのキャストをご紹介します。

「つるかめ助産院」のネタバレなしのあらすじ

 

「つるかめ助産院」は夫が失踪した、まりあの物語です。夫の小野寺君が理由なくいきなり消えてしまい、失意のどん底のまりあが、2人で旅行したことのある南の島に、1人で訪れます。

フラフラと歩いていたらつるかめ助産院のつるかめ先生に話しかけられ、その出会いがきっかけで、トントン拍子でまりあも助産院で暮らすことに。なんと、小野寺君との子どもを妊娠していることも知ります!

助産院にはベトナム人のパクチー嬢、エミリー、旅人サミー、長老などあったかい人たちが関わっていて、みんなのおかげでまりあは大切なものに気づいていきます。傷ついていたまりあの心がどんどん溶けていく物語です。

「つるかめ助産院」の魅力・感想

「つるかめ助産院」の魅力は、以下の3つ。

①十月十日の愛しい時間が感じられる
②妊娠期間を想像できる
③親孝行したくなる

詳しくみていきましょう。

①十月十日の愛しい時間が感じられる

全部読み終わってとってもほっこりとした気分になりました。お腹の赤ちゃんを10ヶ月かけて一緒に育てているような、優しい気持ちです。

本の中では妊婦さんのことを「子どもを育む人」と言っているのですが、なんて素敵な言葉なのでしょうか!妊娠期間と出産は、危険も伴うし、生と死が隣り合わせ。お母さんたちの強い気持ちがとても伝わってきました。

私もこんな風にお母さんに思われながら、守られ、愛され生まれたんだなという気持ちが芽生えました。ちなみにたくさんのことを教えてくれるつるかめ先生は、モデルになった助産師さんがいるそうです。

②妊娠期間を想像できる

妊娠したことのない私は「つわりや不便が多くて大変だ」というイメージしかなかったのですが、どうやら違うみたい。赤ちゃんとへその緒で繋がっていて、四六時中一緒にいられるのは妊娠期間だけのようなんですね。

私も愛犬ココとずっと一緒にいられたらと考えたら、こんなに可愛い子と一緒にいられる時間は1秒足りとも無駄にしたくないと思ってしまいそうです。妊娠することは、キャリアが止まってしまうことへの恐怖感しか持てなかった私だけど、変われるかもって思えました。

③親孝行したくなる

まりあも、他のお母さんたちも、みんな必死に赤ちゃんを愛して守って、育てています。私のお母さんもこんな気持ちでいてくれたのかなと思うと、感謝したい気持ちに溢れました!実は想像していた物語と全然違っていて、「読んでおけばよかった」と思った本になりました。

「つるかめ助産院」ドラマのキャスト

ちなみにNHKドラマのキャストも、少しご紹介していきます。

● 小野寺(安西)まりあ:仲里依紗
● 鶴田亀子:余貴美子
● 小野寺達也:溝端淳平
● 小野原タエ(おばぁ):平良とみ
● 天城里見(サミー):中尾明慶

仲里依紗ちゃんと中尾明慶さんが急接近したのもこのドラマ。第2話では有村架純さんが出産するシーンもあります。ドラマは見ていないけれど、最終回には泣いちゃうんだろうな。DVDも出ているので、ご興味ある方は是非。

「つるかめ助産院」のまとめ

つるかめ助産院は、親からの愛情を感じられて、感謝の気持ちを伝えたい!という前向きな決心を持たせてくれる小説でした。これから妊娠・出産を控えている女性や、温かい気持ちになれる小説を探している人におすすめです。

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仕事や会社に疲れたら読みたい「3時のアッコちゃん」【今日のセレクト本vol.27】

仕事や会社に疲れてしまうとき、ありますよね。そんな時は働く女性が元気になる本を読みましょう。

こちらの記事では、柚木麻子さんの小説「3時のアッコちゃん」をご紹介します。ドラマ化されたのでご存知の人もいるかもしれません!ネタバレしないあらすじや、感想をまとめました。

3時のアッコちゃんのあらすじ

3時のアッコちゃんは、「アッコちゃん」シリーズの第2弾で、文庫化されています。ちなみに第1弾は「ランチのアッコちゃん」、第3弾の続編は「幹事のアッコちゃん」です。

3時のアッコちゃんのアッコちゃんは、高潮物産の契約社員として働く澤田三智子の元上司。会社が倒産し、2人とも新しい仕事をはじめました。偶然出会ったアッコさんに、三智子は「新しい職場での会議に悩んでいる」と打ち明けます。

すると起業して「東京ポトフ&スムージー」というサービスを開始していたアッコさんは、三智子に強引な提案をします。

そうだわ。いいこと思いついた!週明けから五日間、あなたの会社に通い、会議にアフタヌーンティーを用意するわ。本場イギリス仕込みのお給仕をしてあげる

と。強引に押し切られ、お願いすることになってしまいます。その条件というのは

毎日必ず三時に会議のメンバーを集めるのよ。会議室を押さえておいて。毎回三十分でいいわ

毎日30分の会議を1週間、5日間続けていくことで効率的に話し合いができるというのです。アッコさんのお給仕してくれる本場仕込みのアフタヌーンティーは、こちらまで顔がほころんでしまいます。紅茶もお菓子も手がかかっていてとっても美味しそうです。スコーンやサンドイッチ、アールグレイなど香り高い様子が描かれています。

最初は時間ぴったりに来なかったメンバーも、お茶とお菓子を楽しみに前のめりに集まるようになりました。真面目にかしこまって話し合わなくても自然と会話が弾むので、会議も言いたいことを言えるようになって来ました。この続きはまた本で・・・♡

3時のアッコちゃんの感想・魅力

アッコちゃんの魅力は、以下の2つ。

● 喝を入れてくれるアッコちゃんがたまらない
● 元気になれる

詳しく見ていきましょう。

喝を入れてくれるアッコちゃんがたまらない

まず1つ目は、喝を入れてくれるアッコちゃんがたまらないということ。アッコさんの潔さや強さはとっても素敵で「喝を入れてくれる、こんな先輩いたらいいのに!」と何度も思いました。

私は今のところ、怒ってくれる先輩が見当たりません。これってすごく悲しいですよね。だからこそ、下の子には自分がその存在になりたいと思い、喝を入れる後輩は2人できました。

愛情をかけて怒っていた分(もちろん人一倍褒めました)、すごく懐いてくれて、悩みも包み隠さず話してくれるので嬉しい限りです。いつか私も、そんな人生の先輩を見つけたい!私の夢のひとつです!

元気になれる

「3時のアッコさん」は短編4話の本で、アッコさんは前半2話、後半はまたちょっと違うシチュエーションのお話です。まさに、働く女性に元気をくれる本でした!

就活生から社会人1年目、そしてベテラン社員の方までいろんな立場の方が楽しめるのではないかと思います。「サプリメント小説」と呼ばれているそうです。ピッタリ!文庫本でここまで元気がもらえるのはとってもお得に感じます。

ランチのアッコちゃんのドラマキャスト

ちなみに三時のアッコちゃんの1つ前の「ランチのアッコちゃん」は、2015年5月からNHKのBSプレミアムで放送されていました。ドラマのキャストもご紹介します。

澤田三智子 → 蓮佛美沙子
黒川敦子 → 戸田菜穂
井川芳夫 → 田山涼成
原田ちひろ → 野呂佳代
清水公子 → 堀内敬子
山川部長 → 鶴見辰吾
笹山隆一郎 → 成田凌

動画で見られるのもドキドキワクワクしそうですね。

3時のアッコちゃんのまとめ

新しい会社や配属先ではドキドキする人も多く、ストレスを感じやすくなります。仕事に疲れてしまった時に、ビジネス本ではないライトな小説で元気が出るのは素敵な手段だと思います。

アッコさんから元気をもらって、明日からの毎日も楽しく乗り切りましょう。

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クリスマスに読みたくなる「羊男のクリスマス」【今日のセレクト本vol.40】

クリスマスの時期が近づくと読みたくなるのが「羊男のクリスマス」です。1989年に村上春樹さん文・佐々木マキさん・絵で、講談社から出版されています。設定が不思議世界なのですが、最後には心がほっこり温まるような物語。癒されたい人、ちょっと不思議な本を読みたい人、村上春樹さん好きな人も読みいやすい絵本です。バレないあらすじや羊男(ひつじおとこ)とはをまとめました。

「羊男のクリスマス」のあらすじ

ドーナツ屋さんで働く羊男は、音楽の才能があるということで、聖羊上人様をお慰めするためのクリスマスソングを作曲するように依頼されます。それなのに、ちっとも作曲が進まない!アパートの大家さんに注意されてピアノが弾けないからです。そこで羊博士から、昨年のクリスマスイブに、穴のあいたドーナツを食べた呪いだということを知ります。そこで、呪いを解くために秘密の穴に降りていく・・・という物語。

羊男とは

羊男はイラストから分かるように羊の形をした生き物。羊なのか、人間なのかはわかりません。とくに羊男である意味は説明されていないので、解釈は人それぞれで大丈夫でしょう。一生懸命なのでついつい応援したくなります。ちなみにこの羊男、同じ村上春樹さん文・佐々木マキさん絵の「ふしぎな図書館」にも出てきます。

 

キャラクターはなんだか違うような気がするのですが、見た目は同じ。そして「ダンスダンスダンス」という小説にも羊男が出てくるようです。

羊男のクリスマスの魅力

羊男のクリスマスの魅力は以下の3つ。

①大人になると忘れてしまうファンタジーな世界
②ドーナツが食べたくて仕方がなくなる
③クリスマスにプレゼントしたくなる本

摩訶不思議な世界に引き込まれてしまいました。それぞれについて詳しくご紹介します。

①大人になると忘れているファンタジーな世界

まず羊男という設定も謎、落ちていく穴で出会う人(?)たちも謎でした。こういうファンタジーって大人になるとどうも忘れてしまいがちです。頭をもっと柔らかく、想像力豊かにしていきたいものだと感じました。セリフもいちいち考えさせられるし、そして村上春樹さんの世界観がとにかく広いので、ちょっと騙されたり、がっかりしたり、羊男と一緒に冒険するような気持ちになりました。

②ドーナツが食べたくて仕方がなくなる

ドーナツって普段食べないのですが、ドーナツがやたらと出てくるのでドーナツを食べたくなりました。読んだ人は思わず共感しちゃうと思いますが、中でもシナモンドーナツと、ねじりドーナツは外せません!本と一緒に食べ物も食べたくなる話って個人的にすごく思い出に残る気がします。

③クリスマスにプレゼントしたい本に決定!

こちらの本はクリスマスになるとよくインスタグラムにpostされているのを見ます。今回読んでその理由がよくわかりました!まずかわいい。そして、子供から大人まで楽しめるような本になっています。子供ができたらプレゼントしたいし、大人同士のクリスマスプレゼント交換にもこの本をプレゼントしたらオシャレだなと思いました!うん、ぜひ今年のクリスマスにはそうしよう!

何度でも読みたくなる楽しい本

ドーナツを買いたくなるのはもちろん、思い出も一緒に積み重ねていきたくなるような気持ちになりました。子供が生まれたら読み聞かせる、とか、大人になっていく自分の思い出とともに積み重ねていく、とか。

ドーナツと一緒に、この本をクリスマスには楽しみたいと思います。また素敵な本を紹介しますので、お楽しみに♡

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小鳥「リボン」の愛がつまった本、つばさのおくりもの【今日のセレクト本vol.57】

動物の温かさを感じられる本が読みたいときにおすすめなのが、小川糸さんの「つばさのおくりもの」です。ペットをもっと大切にしたいと心が温かくなるのと同時に、愛情をもっと感じられます。動物好きな人、心温まるお話を読みたい人はグッとくること間違いなし。ネタバレしないあらすじや見所をご紹介します。

「つばさのおくりもの」のあらすじ

『つばさのおくりもの』はオカメインコの「ぼく」の半生の物語。黄色い羽の、ほっぺのまるい印が目印のかわいい小鳥です。「ぼく」は、鳥たちの保護施設で出会ったヨウムのヤエさんからたくさんのことを教わります。

そして、新しい家族の元へと迎えられ、ママさんから「お帰りなさい」を言えるようにと言葉を教えてもらいます。そうして生活していくうちに、出会いと別れもありますが、「心の中では忘れなかった記憶=故郷と自分の名前」について気づいていきます。こちらの「ぼく」は、小川糸さんの『リボン』という小説の主人公、リボン目線の物語になっています。

リボンから見た世界は一生懸命

インコのリボン目線から見た世界は、生きるのに一生懸命で、周りのみんなが大好きのようでした。周りの人を大切にして、感謝して、何かに答えようと必死に頑張る。「無性の愛」ってこのことだなぁと、動物がますます好きになります。魅力は動物たちです。

魅力①裏表のないまっすぐな動物たち

「ぼく」は、昔の記憶はあまり残っていなくて、どんどん新しい記憶に書き換えられていきます。でも、胸の中に残っている温かい気持ちを大事。そして、新しい家族のことも大好きになろうと必死なのでした。

動物ってそうやって目の前のことに一生懸命で、人間に潜みがちな裏表の感情を抜きで生きています。翻って、わたしたち人間はなんて損得勘定に溢れているんだろう・・・とちょっと反省もしてしまいました。

魅力②愛犬に照らし合わせてホロリとしそうになる

そして、リボンの一生懸命さをみていると、ふと自分のペットにも重ねてしまうのでした。私は犬を飼っていますが、こんな風に、大好きで、温かい気持ちを抱いてくれて、安心してくれていたら嬉しいなあ!と思ってしまいました。もっと幸せにしなくちゃ!と改めて気づくことができたし、大切にしたい気持ちがまた生まれました。思わずペットに重ねてしまう瞬間がきっとあると思います。

「つばさのおくりもの」を10倍楽しむコツ

「つばさのおくりもの」を10倍楽しむコツは、ズバリ「リボン」を読むことです!「リボン」はリボンを巡る人間視点のお話。

「リボン」を読んでいると、この背景で人間がどういう状態で関わっていたのかということを知っているので、切ない気持ちも、リボンの健気さもとっても伝わってきます。

「つばさのおくりもの」は動物愛をもっと深められる

ぼくの世界はとっても繊細で、一生懸命で、守ってあげたくなってしまうほど、命というものを感じられました。小さい子に読んであげても素敵だし、大人がじっくりと味わうにも素敵な作品。

動物が大好き、健気で一生懸命な姿をみたい、温かい気持ちになりたい人にぴったりな作品です。親子、家族、仲の良い友人と共有するのも素敵ですね。

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