弁当屋さんのおもてなし第3弾!ほっこり肉じゃがと母の味【今日のセレクト本vol.76】

料理が作りたくないときに頼りになるのがお弁当屋さん。この記事ではそんな弁当屋さんが舞台の小説、喜多みどりさんの「弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味」をまとめました。

あらすじや感想、魅力を紹介するので本選びの参考にしてみてください。最近漫画にコミカライズされて注目されている小説です。

弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味のあらすじ

「弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味」は、札幌の路地裏にある、美味しいお弁当屋「くま弁」が舞台です。くま弁の料理人・ユウくんと付き合うことになった千春や、常連さんを中心にした物語の第3弾。

今回は、「願いを叶える魔法のお弁当」と噂を聞いてやってきたお客さん、アイドルになった黒川の娘・茜ちゃん、千春のお母さんなど新しい登場人物も現れます。ユウくんは色々な人の思いを汲み取って、毎度美味しそうなお弁当を作ってくれます。

弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがの感想・魅力

「弁当屋さんのおもてなし ほっこり肉じゃがと母の味」の感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

①千春とゆうくんが素敵
②じーんと泣いてしまうシーンあり
③母のレシピを習いたくなる

①千春とゆうくんが素敵

今回は、付き合って3、4ヶ月の千春との恋模様も描かれます。付き合ってからしばらく経つというのに、まだお互い敬語というマイペースな2人ですが、2人らしくて素敵です。

②じーんと泣いてしまうシーンあり

最後に千春のお母さんが出てくるのですが、じーんとしてしまう場面もあり、泣いてしまいました!!!お母さんっていいなぁ、優しいなぁと愛情を感じてしまいます。

しかしながら、うちの母はそんなに素直な人じゃないので、わたしの母が同じようなシチュエーションでもこうならないだろうな・・・と苦笑いでした。

③母のレシピを習いたくなる

読んでいて、母のレシピを習いたくなることも魅力でした。実はお母さんの味を習ったことがないことに気づいてしまいました。千春はどうやらお母さんから肉じゃがのレシピを教えてもらっていたようなのですが、わたしはないなー。

「醤油はちょっとだけ、ツーって入れるだけだよ」と言ったような適当な教え方しかしてもらえなかったので、一人暮らしを始めてから、自力で料理を覚えました。もちろん母の味は舌で覚えているので、「こんな感じな気がする」と再現しています。

おわりに

弁当屋さんのおもてなしは、ほっこりしたおすすめの小説です。こちらは3冊目ですが、2020年10月現在で第7弾まで出版されています。食べることが好きな人や、優しい小説が読みたい人は手にとってみてください。

弁当屋さんのおもてなしシリーズ

最後に、弁当屋さんのおもてなしシリーズをざっとご紹介します。

第1弾|ほかほかごはんと北海鮭かま

2017年5月発売の第1弾。札幌に転勤したばかりの千春とユウくんがくま弁で出会います。

 

第2弾|海薫るホッケフライと思い出ソース

2017年10月に出版された第2弾は、ユウくんに近づきたいのにお客さまの関係から抜け出せない千春ちゃんが描かれています。

第4弾|甘やかおせちと年越しの願い

2018年11月に出版された第4弾では、くま弁で常連客が集まる大晦日の忘年会が舞台です。千春はユウくんとの将来に少し不安を感じています。

第5弾|まかないちらしと春待ちの君

2019年5月に発売された第5弾は、千春が転職してユウくんと一緒に暮らすか、遠距離恋愛をするかで悩みます。悩む千春にユウくんがお弁当でメッセージを送ります(きゅん)

第6弾|夢に続くコロッケサンド

2019年11月に発売された第6弾では、千春が将来について考えます。2人の将来がありありと描かれてとてもリアルな物語です。

第7弾|しあわせ宅配篇

最新刊の第7弾は、2020年8月に発売されました。今回の主人公は失業中の雪緒ちゃん。配達のアルバイトとしてくま弁で働き始め、お客さまやくま弁の魅力に気づきます。

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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年|あらすじと読書感想文【今日の本vol.72】

全世界で注目される作家、村上春樹さん。この記事では、ニューヨークタイムズベストセラー第1位の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」のあらすじや読書感想文をまとめました。

等身大のつくるくんと、周りのみんなの心の葛藤が描かれる小説です。文庫で読みやすいので、村上春樹さんが初めての人にもおすすめです。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年のあらすじ

主人公の多崎つくるは、夢だった鉄道の駅をつくる仕事をしています。彼は高校時代に、親友5人組がいました。女子2人・男子3人の完璧に調和した、すごく良い友人たち。それがハタチの時に突然絶縁されてしまいます。

・・・それから彼は心に蓋をしたまま、16年が過ぎていました。36歳になったつくるは、新しい恋人・沙羅に諭され、あのとき何が起きたのか、探しに行く旅を始めます。

著者の村上春樹さんとは?

今さらながら村上春樹さんを簡単にご紹介すると、「1Q84」「ノルウェイの森」「海辺のカフカ」「騎士団長殺し」「スプートニクの恋人」など数々のヒット作を生み出している日本の小説家です。1949年生まれの2020年現在で71歳。

1987年に発表した「ノルウェイの森」は、2009年に上下巻1000万部声のベストセラーとなり、英語に翻訳された小説も数多く、国内外での人気を集めています。

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の読書感想文

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

①タイトルから想像しすぎた
②多崎つくるは、等身大のつくるくんだった
③リアルな36歳が描かれている

それぞれについてみていきましょう。

①タイトルから想像しすぎた

1つ目は、タイトルから想像しすぎたことが逆に衝撃だったこと。「巡礼」と聞いて、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラのような聖地巡礼を想像していました。しかし意外にも拍子抜け。3度挫折してやっと読み始めましたが、実はつくるくんはどこにでもいそうな人でした。

②多崎つくるは、等身大のつくるくんだった

読んでみて意外だったのは、多崎つくるは、36歳のつくるくんでした。何も巡礼するほど高尚な人ではないし、彼は彼なりに悩んでいます。大学のときに名古屋から東京に出てきましたが、心の拠り所は名古屋の4人。

それが突然、拒絶され、彼は帰る場所をなくしました。かといって東京に馴染むわけでもなく、ただ淡々と悩みながら日々を過ごしていました。

③リアルな36歳が描かれている

私は感情の起伏が激しいから、つくるくんのようには冷静には自分を保っていられないけれど、きっとこういう男性はいるんじゃないかという気分になりました。

そういうどこにでもいそうな人が主人公の物語。舞台は東京、名古屋、フィンランドと移動をしていきますが、つくるくんの淡々さのおかげで落ち着いて旅をしていきます。

行列・徹夜で読みふける人は超人

そもそも、わたしがこれだけこの本を「すごい本だ!」と思い込んでいた原因はニュースだったと思います。発売当時のニュースは今でも覚えていて、発売前日の夜中から本屋の前に行列を作って並び、さらに買ったらすぐに本屋さんに座り込んで徹夜で読破していた人が続出していたというもの。

読んでみて、確かにすごく面白いし、村上春樹さんの言葉の巧みさ、深さは何度も感じて、なんども読み直したページがたくさんあります。ただ、そこまでのめり込むのは「超人」だなと思いました。ハマるのは人それぞれ。それで良いと思います。

まとめ

この本を読んだばかりだというのに、続きが気になって、気になって、仕方ありません。頭の良い人は、この続きがどうなるのか想像がついているのでしょうか。その後どうなったのかの考察やレビューは、その方達に譲りましょう。

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原田マハ著「夏を喪くす」。珍しい不倫小説【今日のセレクト本vol.77】

不倫、仕事、家族と忙しい中でも頑張っている40代女性。そんな女性たちを描いた恋愛小説をご紹介します。

こちらの記事では、原田マハさんの「夏を喪くす」を特集しました。本のあらすじ、感想や魅力をまとめました。

夏を喪くすのあらすじ

「夏を喪くす」は40代女性が主人公の4つの短編集です。ちなみに「喪くす」の読み方は「なくす」。4つのお話をそれぞれピックアップすると以下の通り。

● ごめん
海外に不倫相手と旅行中だった陽菜子。日本に帰国すると、海外で楽しんでいる間に、夫は事故に巻き込まれて、植物状態になってしまっていました。

● 夏を喪くす
不倫相手に指摘され、病気が発覚した咲子。夫に話そうかと電話しても、冷たい反応…。全てがうまくいっていた咲子が転機を迎える

● 最後の晩餐
あの日から姿が見えなくなってしまったクロ。麻理子はニューヨークに向かう。

● 天国の蝿
娘が置いていった詩の雑誌。パラパラと読んでいると「天国の蝿」という奇妙なタイトルが目に止まる。ふと読んでみると、その詩は・・・。

不倫や家族との関係、仕事など40代女性の人生の岐路についての物語が展開されています。

2012年10月に講談社文庫から発売されました。ちなみに『夏を喪くす』は文庫本の際に改題されていて、元々は「ごめん」という題名でした。

夏を喪くすの感想・魅力

「夏を喪くす」の感想や魅力をまとめると、以下の2つ。

①原田マハさんと違う!
②人生大切に生きていきたいと思う

それぞれについて見ていきましょう。

①原田マハさんと違う!

まず1つ目は、いつもの原田マハさんのテイストと違うこと。アートを題材にしたり、とにかく感動的で最後は泣いちゃう小説を書く人気作家さんですが、こちらは「ブラックマハ」といわれるほどテイストが違います。

人間のダークサイドが描かれていて、でも最後はほんわか心が前向きになり、スッと軽やかになりました。

②人生大切に生きていきたいと思う

そして2つ目は、人生を大切にいきていきたいと思えたこと。不倫、恋愛、家族、仕事。全てのバランスがうまくいっていて、とってもカッコよく生きている女性だって、人生何があるかわからないんだなと思ってしまいました。

岐路に立った時に迷わないように、目の前にある人も物も大切に生きていきたい、そんな風に思います。潔く、勇気ある決断をした「夏を喪くす」の咲子がかっこよくて好きでした!最後のメールが特に大人でした。

夏を喪くすのまとめ

夏を喪くすは、アラフォー女性にとって重なる部分があったりなかったりするかもしれませんが、女性が考えちゃう部分が多いことは間違いありません。いつもと違う原田マハさんの魅力にも出会える一冊です。

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東野圭吾のパラレルワールド・ラブストーリー。映画の原作小説【今日のセレクト本vol.60】

映画「パラレルワールドラブストーリー」で話題になった、原作小説は、一気読みできる面白さ。殺人事件が苦手な人でも安心な、恋愛もののミステリーです。

こちらの記事では、東野圭吾さんの「パラレルワールド・ラブストーリー」を特集しました。ネタバレしないあらすじ、感想や魅力、映画のキャストをご紹介します。

パラレルワールド・ラブストーリーのあらすじ

「パラレルワールド・ラブストーリー」は、恋愛もののミステリー。崇史(たかし)は親友の智彦に、「恋人ができたから紹介したい」と言われます。

実際に会ってみると、彼女の麻由子は、崇史がこの1年間電車の中から片思いしていた相手でした!その場では「片思いの相手」ということをまさか言えない崇史。麻由子とは、親友の彼女として接することにしました。

ところがある朝、目がさめると崇史は、麻由子と同棲していました。先程までの出来事は、夢だったのか、それとも現実だったのか、崇史は混乱していきます。記憶と現実が交錯するミステリー。過去と現在のシーンを交互に見ていくことで、真実が見えてきて結末までドキドキしてしまいます。

累計150万部の人気本

こちらは1995年2月中央公論社から単行本、1998年3月に講談社文庫版が発売されました。そして2019年に映画化。累計発行部数は150万部を越える大ヒット作っとなっています。

パラレルワールド・ラブストーリーの感想・魅力

「パラレルワールド・ラブストーリー」の感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

①東野圭吾さんの頭がよすぎる
②寝不足になるほど一気読みしたくなる
③仮説を立てるとのめり込む

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①東野圭吾さんの頭がよすぎる

1つ目は、東野圭吾さんって、頭が良すぎてびっくりすること。久々のミステリーということと、脳科学やリアリティ工学という分野の知識がないわたしは、脳のキャパシティがオーバーしそうになってショート寸前でした!何度も、群ようこさんの穏やかな本を挟みながら読んでいたのは秘密。笑

作家さんの知識量の多さや、登場人物のキャラクターの立ち方には脱帽します。自分が作家ではないけれど、こうして物を書く仕事をしている以上、こういう才能はどこからくるのだろう、と考えてしまいます。

知識は勉強、書くことは技術、そして想像力はどうやってつけるの?これが気になります。

②寝不足になるほど一気読みしたくなる

そして寝不足になるほど、一気読みしたくなりました。「一気読み」と聞いていた本だったのですが、まさにその通り!

夜から読み出したら気になりすぎて、早起きまでしてしまいました。夢中になれる本って、ありそうでなかなかないのでこういう本って貴重な存在。③仮説を立てるとのめり込む

③仮説を立てるとのめり込む

最後は仮説を立てるとのめり込むほど面白いこと。ミステリーは解けないとわかっていても、いくつも自分の中で仮説を立てて読んでいくのが好きです。

この「パラレルワールド・ミステリー」でも、いくつも仮説を立てたのですが、結局いくつも予想が裏切られて、そして終わってしまいました!悔しくて、思ったような結論でもなく(勝手に超絶ハッピーエンドを想像していた!)、不完全燃焼のまま終わってしまいました(涙)

映画パラレルワールド・ラブストーリーのキャスト

最後に映画のキャストをご紹介します。一覧にまとめました。

敦賀崇史(Kis-My-Ft2 玉森裕太)
津野麻由子(吉岡里帆)
三輪智彦(染谷将太)
小山内護(筒井道隆)
桐山景子(三村里江)
篠崎伍郎(清水尋也)

キスマイ人気からか、2日で動員11万人、興行収入1億4,300万円をあげました!映画を見た人の満足度は、なんと95.6点と高評価。

DVDも発売されていて、テーマソングは宇多田ヒカルさんの「嫉妬されるべき人生」です。よかったら映画の公式サイトもチェックしてみてください。

公式サイト

パラレルワールド・ラブストーリーのまとめ

パラレルワールド・ラブストーリーは、一気読み間違いなしのミステリー小説。今度の土日に、仕事帰りの夜のお楽しみに、ぜひ手にとってみてくださいね♡

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ムーミン谷の夏まつり。名言にハッとする小説【今日のセレクト本vol.67】

アニメや映画でおなじみのムーミンですが、原作を読むのも素敵です。ムーミン谷の仲間たちに小説で会うことができます。こちらの記事ではトーベ・ヤンソンさん著の「ムーミン谷の夏まつり」を特集しました。本のあらすじ、感想や魅力、ムーミンの小説シリーズをご紹介します。

ムーミン谷の夏まつりのあらすじ

ムーミン谷の夏まつりは、6月が舞台です。火山の噴火で大洪水が起こり、ムーミン一家のおうちは浸水してしまいます!ムーミン一家は屋根の上から穴を開けて、朝のコーヒーを飲むために、コーヒーセットを台所から泳いで取ってきます。優雅にお茶をしようとしますが、結局家も流されてしまうことに!そこで流れてきた他のおうちにお引越しすることになりました。そのおうちは、実はおうちではなく劇場で、みんなが劇を始めることになってしまったストーリー。

1964年翻訳出版の本

ムーミンの物語は、1964年に翻訳されてから55年以上もたっています!それが2019年に、言い回しや表現が現代版に書き換えられ、新版が発売されました。ムーミン谷の夏まつりは5作目です。

ムーミン谷の夏まつりの感想・魅力

ムーミン谷の夏まつりを読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

1.意外にも現実的で刺激的
2.名言が登場する
3.後半がおもしろくて一気読み

それぞれについて、詳しく解説します。

1.意外にも現実的で刺激的

まずは以外にも現実的で、刺激的だったこと。ムーミンってもっと平和なファンタジーかと思っていたら、最初から家が流されるし、人の家にお引越ししてしまうし、意外性に溢れていました。逮捕されることもあって、ファンタジーの中に現実が突き刺さってくるような、不思議な感覚。でも良いところは、たとえ家が浸水したとしてもお茶にしようと優雅に過ごすこと。どんな環境でも、ポジティブに物事を捉えて、楽しくする姿はとても素敵でした。

2.名言が登場する

そして名言が登場することも魅力です。ちびのミイが眠くなったから寝たいというシーンで、スナフキンがこう言います。

そうかい。たいせつなのは、じぶんのしたいことを、じぶんで知ってるってことだよ(P.119)

現実世界では、我慢してしまうことや、じぶんの思い通りに行かずに相手に合わせたりすることも多いけれど、スナフキンは真実をついてきます。ハッとしてしまいました!他にもムーミンママがサンドイッチに書いてくれたメッセージや、フィリフヨンカが楽しくないことをしなくてもいいよとムーミントロールとスノークのおじょうさんが教えてあげることなど、たくさん良いシーンがありました。

3.後半がおもしろくて一気読み

実は「ムーミン谷の夏まつり」は5年以上前に購入したものでした。一度読んで挫折して、もう一度読んで挫折。3度目の挑戦でようやく読み切ることができました。後半からはおもしろくなって一気読みでした。

もし、おもしろくなかったら、この本をだいじにしまっておいて、大きくなってから、もう一度読んでください。きっと、ヤンソン作品のたのしさをわかってもらえると思います。

と、あとがきにあるのを見つけましたが、その通り。二度挫折した積ん読本でしたが、大人向きのメッセージもたくさん詰まっていて、今は楽しさがわかりました。

ムーミンの小説シリーズ

ムーミンの小説は本屋さんで見かけたことがある人も多いと思いますが、全貌がわからないという人のために、一覧にまとめました。

● ムーミン谷の彗星
● たのしいムーミン一家
● ムーミンパパの思い出
● ムーミン谷の夏まつり
● ムーミン谷の冬
● ムーミン谷の仲間たち
● ムーミンパパ海へいく
● ムーミン谷の十一月
● 小さなトロールと洪水

最後の「小さなトロールと大きな洪水」は、長年出版されなかった幻の作品ともいわれています。少しずつ集めてもたのしいし、なんと全巻セットもあるのでムーミン好きな人はこちらもどうぞ。

ムーミンの歴史については、公式サイトにも掲載されています。よかったら覗いてみてください。

ムーミンの歴史

ムーミン谷の夏まつりのまとめ

ムーミンは子どもから大人まで楽しめる作品で、ドキッとしてしまう名言もたくさん飛び出します。キャラクターの見た目のかわいいだけでなく、小説でムーミンの奥深さに触れてみるのもおもしろいです。

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ムーミンが好きな人は、こちらの本もおすすめです。ぜひ参考にしみてください。

>エンリケ・バリオス著アミ 小さな宇宙人。幸せになる方法とは【今日の本vol.59】

世界の名作!よかった探しで幸せをつかむ「少女ポリアンナ」【今日の本vol.25】

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エンリケ・バリオス著アミ 小さな宇宙人。幸せになる方法とは【今日の本vol.59】

宇宙の法則や幸せになれる方法について気になる人は、エンリケ・バリオス著の「アミ 小さな宇宙人」がおすすめです。こちらの記事では本の内容やあらすじ、読んだ感想や魅力をまとめました。「売ってない」と、なかなか在庫が手に入らないことでも話題になっている小説です。今回は、さくらももこさんの挿絵がキュートな文庫をご紹介します。

アミ 小さな宇宙人のあらすじ・内容

 

「アミ 小さな宇宙人」は、9歳のぺドゥリートの前に現れた、宇宙人のアミの物語です。アミは同い年の子どものように見えるけれど、ぺドゥリートの考えていることがわかってしまうし、ハイテクな機械を操っています。ぺドゥリートはアミと話している間に、アミの話をだんだん信じていくようになります。そして、おばあちゃんが寝ている間にUFOにのって、都市へ行ったり、地球の裏側へ行ってみたり、そして宇宙へ旅に出かけます。

世界のロングベストセラー本

「アミ 小さな宇宙人」は、1986年にチリで出版されてベストセラーとなりました。現在では世界11カ国語に翻訳され、日本では「アミ 小さな宇宙人ーアダムスキーマイヤーをしのぐUFO体験」というタイトルで単行本が発売。

2000年に「アミ 小さな宇宙人」に改題して再販、2005年にさくらももこさんの挿絵入りで文庫版が発売されたことで話題となりました。実話ともいわれていて、中古本でも「売ってない」と在庫ぎれの場合があるようです。ブックオフやメルカリでも高値で発売されているようなので、amazonや楽天で定価で購入することをおすすめします。

アミ 小さな宇宙人の感想・魅力

「アミ 小さな宇宙人」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

1.イラストがかわいい
2.大人でも読み応えがある
3.愛について考えさせられる

実話ともいわれているこちらの本は、考えさせられる場面がたくさんありました。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1.イラストがかわいい

 

 

 

 

 

 

 

1つ目は、さくらももこさんのイラストがかわいいこと。カバーだけでなく挿絵もさくらももこさんのイラストがいくつか入っているので、とても優しい気持ちになることができます。挿絵によっては堅苦しいイメージになりがちな話だと思ったのですが、さくらももこさんのおかげで、まるで癒しの世界に大変身していました!

2.大人でも読み応えがある

2つ目は、大人でも読み応えがあること。雰囲気から子供用かと思ったら、幸せになれる方法や、愛についてあみが問いかけてくるのはなかなか難しいものがありました。アミが幸せについて言及しています。

見えるもの、聞こえるものに、よろこびを感じること、手で触れること、自覚して呼吸すること、嗅ぐこと、味覚を味わうこと、たったいまの現在を満喫することだよ。きみはいま、この瞬間、幸せかい?

まるで、今この瞬間を味わうことを大切にしている「マインドフルネス」について言っているのかと思ってしまいました。今この瞬間を味わうことで、幸せになれる。これを小さい子どものうちから、脳みそに染み込ませることができたら、人はもっと豊かに、幸せに生きることができるのかなーなんて考えてしまいました。

3.愛について考えさせられる

そして最後は、愛について考えさせられること。愛って、日本人にとっては日常生活を送っていると「感じる」ことであり、「口に出す」ものとは少し遠いもののような気がしています。

宇宙の基本法は愛であり、愛が人間の最高位のもので神の名を “愛” というんだ。宇宙の宗教とはまさに、愛を感じることであり、愛を捧げること。これに尽きるんだよ。これが僕の宗教なんだよ。

アミは「愛」についてたっぷり語っていて、もっと大きな意味での愛を感じさせてくれました。宇宙ではシェアすることが当たり前の世界。わたし達は「これはわたしの」と所有することを当たり前のこととして捉えていますが、アミにとっては「なんでそんなことするの?」と理解できない。

宇宙から見ると、私たち地球人は、まだ愛の度数が足りない野蛮な世界。一方で、愛の度数が高い宇宙では、みんな必要なものを必要な時にシェアする考え方が基本になっています。

シェアとか、相手を思いやるとか、この本はストーリーをそのまま受け取るよりも、もっと先の作業が必要なようでした。アミから教えてもらったことを考えて、それをわたしたちの生活にどう当てはめたら良いかということを考えていく。そのことを問いかけてくるようなストーリーでした。

アミ 小さな宇宙人のまとめ

アミが教えてくれることって、わたしたち地球人は高等動物なのではなく、愛情が足りなくて、周りが見えていない野蛮人なのかもしれないということです。もっと周りの人や環境に感謝していくことで、見える世界は変わってくる。それをもっと感じて生きなさい、と言われているように心にとまりました。

思い返せば思い返すほど、奥深い一冊で3部作なので、あと2冊も大切に読みたいと思います。

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アミに関連するおすすめの本は以下の3つです。さくらももこさんのエッセイ、幸せになるための小説や知恵が紹介された2冊を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

ももこの21世紀日記。まる子愛が深まるさくらももこさんエッセイ【今日の本vol.74】

西の魔女が死んだ。丁寧な暮らしや愛にあふれる小説【今日のセレクト本vol.68】

幸せになるための服部みれいさんの102の知恵!なにかいいこと【今日の本vol.8】

群ようこさんのミサコ、三十八歳。働くアフラフォー女性の小説【今日の本vol.63】

ぼんやりと考えごとをしたいときや、毎日に疲れて癒されたいときってありますよね。そんなときは群ようこさんの本がおすすめです。

こちらの記事は、群ようこさんの「ミサコ、三十八歳」をご紹介します。本のあらすじや感想・魅力をまとめました。

『ミサコ、三十八歳』のストーリー

「ミサコ、三十八歳」の主人公は、小説誌の副編集長をしているミサコ、38歳。ミサコは小説誌の副編集長としてバリバリ働くかたわら、年の離れたグラビアアイドルの妹や、一人暮らしをしている白髪のおかっぱ頭のお父さんのことも心配。そんな中での癒しは猫のあーちゃん。

あーちゃん、元気ねえ。いいねえ。かわいいでちゅねえ。

とおうちではあーちゃんのことを、デレデレの溺愛。あーちゃんは食べ物大好きのおデブちゃんでミサコにたくさん甘えて、ご満悦の様子です。結婚への願望もいまは落ち着いて、恋愛への理想も特になく、落ち着いてあーちゃんとの暮らしを楽しんでいます。

キャラクターが一人ひとり愛らしくて、チャーミングな人たちにあふれています。そんな人々に囲まれながらも、仕事、プライベート、家族と、心配事やときにはストレスも感じるミサコの日常が描かれています。

ミサコ、三十八歳の感想・魅力

「ミサコ、三十八歳」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

①自分との距離の取り方が絶妙
②猫の救われる
③もっと軽くゆるく生きていける発見

それぞれについて見ていきましょう。

①自分との距離の取り方が絶妙

ミサコは自分との距離の取り方が絶妙です。悩みはあるけれど、あーちゃんと話すことや、テレビを観ることでストレス発散をしているのですが、とにかく気持ちの切り替えが上手。

どんなにイライラしているときや、夜でも、お手洗いや自室での行動を通して、うまーく気持ちを切り替えています。この気持ちの切り替え方は見習いたくなります。

②猫に救われる

2つ目の魅力は、猫に救われること!群さんの小説の主人公って「働くアラフォー女性 + おデブ猫」のイメージが強いのですが、みんな猫に救われています!そしてどんなにイライラしていても、自分との距離感が上手なので、感情に振り回されていないところもみていて清々しいのです。

③もっと軽くゆるく生きていける発見

そして最後は、もっと軽くゆるく生きたいなと思える発見があったこと!バリバリ働いているミサコのような女性でも、あーちゃんとのデレデレの時間があるからこそきっと頑張れる。頑張りすぎなくても大丈夫だし、ほのぼのした気分に浸れます。

ミサコ、三十八歳のまとめ

ミサコみたいな女性を知ることで、自分の人生のよい部分を見つけられそう!と思った小説でした。仕事をがんばっているアラフォー女性や猫好き、家族との関係に悩んでいる人にもおすすめです。

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旅に出る勇気をくれる小説!スーツケースの半分は【今日のセレクト本vol.70】

旅に出たくなるときってありますよね。「なんか呼んでる気がする!」とスッとその場所に行けたら素敵です。

こちらの記事では、近藤史恵さんの小説「スーツケースの半分は」をご紹介します。本のあらすじや内容、感想・魅力をまとめました。

スーツケースの半分はのあらすじ

「スーツケースの半分は」は、青いスーツケースを中心に、9つの物語が繰り広げられる小説です。もうすぐ30歳になる、真美(まみ)は、まだ海外旅行に行ったことがありません。新婚旅行ではニューヨークに行きたかったのに、日程が足りずにも竹富島へ。

しばらくしたら夫の武文も、一緒にニューヨークに行ってくれると言っていたのに、提案したら「定年したら」と言われてしまいます。そんなときに行ったフリーマーケットで出会った青いスーツケースに一目惚れをし、持ち帰ることにしました。そして、夢だったニューヨークひとり旅へと旅立ちます。

青いスーツケースは「幸運のスーツケース」になる

真美がニューヨークから帰ってきてから、仲良しの三人それぞれにスーツケースを貸すことになります。すると、良いことがたくさん起こる、起こる。そこで「幸運のスーツケース」と呼ばれることになりました。

旅先は世界のあちこち

このスーツケースを中心に、9つの物語が繰り広げられます。香港、ドバイ、パリ、ドイツとたくさんの土地を旅して、それぞれの物語も楽しめます。その土地の空気がたっぷり感じられて、一緒に旅した気分になります。

2018年5月に祥伝社から発売され、2019年の第13回エキナカ書店大賞の大賞受賞に選ばれた作品です。文庫本なので、電車の中や自宅で気軽に旅気分が味わえますよ。

スーツケースの半分はの感想・魅力

「スーツケースの半分は」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の2つ。

①ひとり旅のモヤモヤに共感
②ひとり旅の幸せに共感

読んでいて1番よかったのは、「ひとり旅のモヤモヤと幸せが、わかるー!!!」とすごく共感したところでした。それぞれについて見ていきましょう。

①ひとり旅のモヤモヤに共感

ひとり旅って、寂しいこともあるし、自分との戦いもいっぱいあります。知らない土地で押しつぶされそうになったり、言葉が通じなくて騙されそうになったり、時には差別も受けることも。

だけど、こんな辛いことは人に言ってもつまらないし、聞いた人も嫌な思いをするだろうなと思って、なかなか言いません。人によっては言うかもしれないけれど。笑 だからわたしにとっては、人に言わない内緒の部分。そこもたくさん現れています。

②ひとり旅の幸せに共感

でもその分いっぱいいい事もたくさんあって、ふとした人の優しさにほろり、としそうになることだって経験できます。これも一人で飛び出たから。

その勇気を持てた人だけが味わえるこの「葛藤」がすごく描かれていました。まだ、ひとり旅に出たことがないという人も、きっと擬似体験できると思います。このくらいなら大丈夫そう!と思えたら、あなたもきっと旅に出る事ができるはず。

スーツケースの半分はのまとめ

「スーツケースの半分は」は、ふわりと優しい気分になれます。猛烈に旅に出たくなるわけではないけれど、新しく一歩踏み出したくなる気分です。新しい一歩を踏み出したいときに、ぜひ手に取ってみてください。

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今日のハチミツ、あしたの私。アラサー女子共感間違いなし小説【今日の本vol.82】

「一気読みできるような小説がないかな〜」とついつい、探してしまうという方。面白くない本に当たってしまうと、ガッカリ感が半端ないですよね。

そんなときにおすすめなのが、寺地はるなさんの「今日のハチミツ、あしたの私」です。本のあらすじ、感想・魅力をご紹介します。

今日のハチミツ、あしたの私のあらすじ

「今日のハチミツ、あしたの私」の主人公の30歳の碧(みどり)。仕事をやめて彼の故郷に行くことになりましたが、結婚するつもりでいったものの、彼は頼りないし、そんなにスムーズにことは進まず。

なんと、ひょんなことから、蜂蜜園のお手伝いをすることになったのです。そこから碧の運命は、思わぬ方向へと、進み始めるという長編小説です。文庫本も出ているので、気軽に読むことができます。

今日のハチミツ、あしたの私の感想・魅力

今日のハチミツ、あしたの私を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①なんと一晩で一気読み!
②アラサー女子が共感してしまう碧ちゃん
③ハチミツの知らない世界

それぞれについて見ていきましょう。

①なんと一晩で一気読み!

なんと、一晩で一気読みしてしまいました。この本、買ったときには「おいしそ〜♡」とそれだけで手に取りました。笑

しかし、読み始めたら、そんな穏やかなものではありませんでした。お風呂で読み始めたら、そのまま止まらなくなり、急いで髪を乾かして、ベッドへ直行。最後まで読み切ってしまったのです。あー寝不足。笑

②アラサー女子が共感してしまう碧ちゃん

2つ目の魅力は、アラサー女子が碧ちゃんに共感必至なこと。碧ちゃんの年が近かったことと、どこにでもいそうな碧ちゃんが、少し自分と重なるからなのかな、と思います。目を離せなくなるんです。

蜂蜜をもうひと匙足せば、たぶんあなたのあしたは今日より良くなるから

中学生の碧ちゃんに向けて、この一言をかけた女性。本の序盤で出てくるのですが、この女性が出てきてから、ページを読む手が止まらなくなり、そのまま一気読みしてしまいました!

どこにでもいそうな碧ちゃんの、少しだけ突拍子もない行動に目が離せなくて、応援する気持ちでした。恋愛も、結婚も、人間関係も、生きることも、一緒になって考えてしまいました。

③ハチミツの知らない世界

そして3つ目は、ハチミツの知らない世界を知れること。なんと、一匹のミツバチが一生に作れるハチミツは、たったひと匙なのだそうです!一生で作れるのが、なんとスプーン一杯。

これを読むと、なんと貴重なハチミツなのかもわかるし、養蜂園の方々が、愛情を込めて蜂たちを育てているのもわかります。もっとハチミツを大切に食べたいと思うのでした。健康にもいいしね。

しかも、蜂蜜料理もこんなにレパートリーがあったとは知らず、思わず作って食べたくなってしまいました。ハニーマスタードチキンとか、ハニーレモンソーダとかおいしそうすぎて、たまらんのです♡

今日のハチミツ、あしたの私のまとめ

私は大切な本を入れる本棚を入れる、「神棚」的なものを本棚の一角に作っているのですが、まさにこの本もそちらへ仲間入りしました。だって本当に心に響くような話だったのだもの。そう、心に響きました。

そっと心に寄り添ってくれるような、大切なものを気づかせてくれるような、言葉はどれも優しいのに、強い芯を感じるようなお話でした。

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山の空気が味わえる山女日記。NHKドラマの原作小説【今日のセレクト本vol.58】

NHKでドラマ化された「山女日記」をみて、原作を読んでみたいという人も多いのでは?山ガールたちが主人公の小説です。

こちらの記事では、湊かなえさんの『山女日記』をご紹介します。本のあらすじ、感想や魅力、ドラマのあらすじ・キャストをまとめました。

「山女日記」のあらすじ

「山女日記」は、山を登る女子たちの物語です。仕事をしながら、せっかくできた休日に山を楽しむ彼女たちですが、それぞれ悩みもつきません。結婚への違和感、離婚の危機、姉とのすれ違い、失恋など…。それぞれの主人公が、8つの山を登りながら悩みと向き合っていきます。

GINGER L.に連載された長編小説

「山女日記」は、湊かなえさんが季刊文芸誌「GIGER L.」の2012年春号〜2013年冬号に連載していた連作長編小説です。2014年7月に幻冬社から、山と渓谷に掲載された番外編を加えて、2016年8月に幻冬舎文庫で文庫化されました。

2016年にはBSプレミアムで連続7回、2017年10月・11月にはNGBSプレミアムでドラマ化された話題作です。

山女日記の感想・魅力

山女日記を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①山女日記というブログが気になる
②人間模様にグッとくる
③いろんな山を知れる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

①山女日記というブログが気になる

まずは山女日記というブログが気になること。本のタイトルにもなっている「山女日記」とは、山ガールたちに必要な情報が詰まったウェブサイトなんです。全ての登場人物たちがチェックしているということで、いろいろなお話に出てきます。

持っていった方が良いお菓子や、便利な道具、装備や服装、流行の帽子などが話題になっています。実際には存在しないんだろうけど気になってしまいます!

②人間模様にグッとくる

そして2つ目の魅力は、人間模様にグッと来ること。山を登るときには、そんなに仲の良くなかった子や、初めましての人と登ることになったとしても、山では「じゃあね」と見捨てることができません。

りっちゃんは、3人で登る予定だったのに、舞ちゃんが熱が出て来られなくなったので、苦手な由美と山登りをするハメになります!イライラすることもあるけれど、相手を思いやらなければいけない分、だんだんお互い言いたいことを言えるようになって、一緒に前に進んでいきながら仲を深めていきました。

山の険しさやハードさ以上に、人と人のつながりや、彼女たち自身が成長していく姿、みている景色を一緒に見られているような感覚など、たくさんの景色を見られるのが魅力です。

③いろんな山を知れる

そして3つ目は、いろんな山を知られること。北海道、新潟、長野、富山、神奈川と8つの山が出てくるこの作品。日本の山の他にも、ロードオブザリングの撮影地にもなったという、ニュージーランドのトンガリロという山まで登場します!

私のベストな山は神奈川県の「金時山」でした!舞ちゃん(先ほど熱を出してドタキャンした子)と大輔カップルが向かった山で、富士山に登りたかった舞ちゃんを、大輔がサプライズで連れてくるという山。二人の出会いのシーンも素敵だったし、山頂で大輔が舞ちゃんにいう言葉も素敵!

読んでいて気づいたのが、山を登っている時って、だれかと一緒にいたとしてもずっと喋っているわけにはいかない。ほとんどの時間が黙々と足を動かす時間になるんです。そこで誰とおしゃべりするのかと言うと、自分自身。自分との対話が中心になります。

山女日記ドラマのあらすじ・キャスト

最後に、山女日記のドラマのあらすじやキャストについて見ていきましょう。

ドラマのあらすじ

ドラマでは、会社員から登山ガイドに転身した立花柚月(工藤夕貴)が、さまざまな山をガイドします。全7回のなかで事件があったり、人間関係がこじれたりと、登山や景色だけでなく人間模様も見どころです。

2017年に放送されたプレミアムドラマでは、前編と後編に分かれていてそれぞれ以下の通りです。

● 前編 山フェスに行こう〜常念岳〜
● 後編 アルプスの女王〜燕岳〜

スタッフブログも書かれていて、ロケ地の様子なども写真で公開されています。

ドラマのキャスト

ドラマのキャストを一覧にまとめました。

立花柚月(工藤夕貴)
木嶋岳志(黄川田将也)
木嶋陽菜(夏菜)
如月直子(かたせ梨乃)
吉田真守(萩原聖人)

ちなみに柚月さんの衣装として使われた、パッチワークのキャスケットの帽子が話題になりました。

NHKオンデマンド

山女日記のまとめ

これだけ山の話を読んでいたら「山に行ってみたくなりました」と書きたくなるところですが、私はなりませんでした。笑

影響されやすい私も、山は別みたい。もしかしたら、あなたは山に行きたくなるかもしれません。よかったら感想を聞かせてくださいね。

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