エンリケ・バリオス著アミ 小さな宇宙人。幸せになる方法とは【今日の本vol.59】

宇宙の法則や幸せになれる方法について気になる人は、エンリケ・バリオス著の「アミ 小さな宇宙人」がおすすめです。こちらの記事では本の内容やあらすじ、読んだ感想や魅力をまとめました。「売ってない」と、なかなか在庫が手に入らないことでも話題になっている小説です。今回は、さくらももこさんの挿絵がキュートな文庫をご紹介します。

アミ 小さな宇宙人のあらすじ・内容

 

「アミ 小さな宇宙人」は、9歳のぺドゥリートの前に現れた、宇宙人のアミの物語です。アミは同い年の子どものように見えるけれど、ぺドゥリートの考えていることがわかってしまうし、ハイテクな機械を操っています。ぺドゥリートはアミと話している間に、アミの話をだんだん信じていくようになります。そして、おばあちゃんが寝ている間にUFOにのって、都市へ行ったり、地球の裏側へ行ってみたり、そして宇宙へ旅に出かけます。

世界のロングベストセラー本

「アミ 小さな宇宙人」は、1986年にチリで出版されてベストセラーとなりました。現在では世界11カ国語に翻訳され、日本では「アミ 小さな宇宙人ーアダムスキーマイヤーをしのぐUFO体験」というタイトルで単行本が発売。

2000年に「アミ 小さな宇宙人」に改題して再販、2005年にさくらももこさんの挿絵入りで文庫版が発売されたことで話題となりました。実話ともいわれていて、中古本でも「売ってない」と在庫ぎれの場合があるようです。ブックオフやメルカリでも高値で発売されているようなので、amazonや楽天で定価で購入することをおすすめします。

アミ 小さな宇宙人の感想・魅力

「アミ 小さな宇宙人」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

1.イラストがかわいい
2.大人でも読み応えがある
3.愛について考えさせられる

実話ともいわれているこちらの本は、考えさせられる場面がたくさんありました。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

1.イラストがかわいい

 

 

 

 

 

 

 

1つ目は、さくらももこさんのイラストがかわいいこと。カバーだけでなく挿絵もさくらももこさんのイラストがいくつか入っているので、とても優しい気持ちになることができます。挿絵によっては堅苦しいイメージになりがちな話だと思ったのですが、さくらももこさんのおかげで、まるで癒しの世界に大変身していました!

2.大人でも読み応えがある

2つ目は、大人でも読み応えがあること。雰囲気から子供用かと思ったら、幸せになれる方法や、愛についてあみが問いかけてくるのはなかなか難しいものがありました。アミが幸せについて言及しています。

見えるもの、聞こえるものに、よろこびを感じること、手で触れること、自覚して呼吸すること、嗅ぐこと、味覚を味わうこと、たったいまの現在を満喫することだよ。きみはいま、この瞬間、幸せかい?

まるで、今この瞬間を味わうことを大切にしている「マインドフルネス」について言っているのかと思ってしまいました。今この瞬間を味わうことで、幸せになれる。これを小さい子どものうちから、脳みそに染み込ませることができたら、人はもっと豊かに、幸せに生きることができるのかなーなんて考えてしまいました。

3.愛について考えさせられる

そして最後は、愛について考えさせられること。愛って、日本人にとっては日常生活を送っていると「感じる」ことであり、「口に出す」ものとは少し遠いもののような気がしています。

宇宙の基本法は愛であり、愛が人間の最高位のもので神の名を “愛” というんだ。宇宙の宗教とはまさに、愛を感じることであり、愛を捧げること。これに尽きるんだよ。これが僕の宗教なんだよ。

アミは「愛」についてたっぷり語っていて、もっと大きな意味での愛を感じさせてくれました。宇宙ではシェアすることが当たり前の世界。わたし達は「これはわたしの」と所有することを当たり前のこととして捉えていますが、アミにとっては「なんでそんなことするの?」と理解できない。

宇宙から見ると、私たち地球人は、まだ愛の度数が足りない野蛮な世界。一方で、愛の度数が高い宇宙では、みんな必要なものを必要な時にシェアする考え方が基本になっています。

シェアとか、相手を思いやるとか、この本はストーリーをそのまま受け取るよりも、もっと先の作業が必要なようでした。アミから教えてもらったことを考えて、それをわたしたちの生活にどう当てはめたら良いかということを考えていく。そのことを問いかけてくるようなストーリーでした。

アミ 小さな宇宙人のまとめ

アミが教えてくれることって、わたしたち地球人は高等動物なのではなく、愛情が足りなくて、周りが見えていない野蛮人なのかもしれないということです。もっと周りの人や環境に感謝していくことで、見える世界は変わってくる。それをもっと感じて生きなさい、と言われているように心にとまりました。

思い返せば思い返すほど、奥深い一冊で3部作なので、あと2冊も大切に読みたいと思います。

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アミに関連するおすすめの本は以下の3つです。さくらももこさんのエッセイ、幸せになるための小説や知恵が紹介された2冊を紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

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「ちびまる子ちゃん」「コジコジ」の作者としておなじみの、さくらももこさん。そんなさくらももこさんのエッセイは、まるでちびまる子ちゃんの世界でした。

こちらの記事では、さくらももこさんのエッセイ「ももこの21世紀日記」を特集しました。本のあらすじや内容、感想、魅力をご紹介します。子どもも大人も楽しめる一冊です。

ももこの21世紀日記の内容・あらすじ

「ももこの21世紀日記」は、ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこさんの2008年のエッセイです。さくらももこさんの携帯サイト「ももこの近況」に掲載されたものをまとめられた一冊です。(今はさくらももこオフィシャルブログのようです)

現在も更新されていて、1ページから2ページほどに、日々の様子が綴られています。小さい子でも読めるようにか、文字の大きさが大きく、行間もあいていて、ルビも振ってあります。

時事ネタ、ニュースのこと、災害、ワールドカップ、M-1などにもよく触れられているので、その時代のことを思い出しながら読めます。

挿絵もしてあるんだけど、とにかくかわいいエッセイです♡

ももこの21世紀日記の感想・魅力

「ももこの21世紀日記」読んでいて、ももこさんはまる子そのものだということが判明しました!魅力は以下の3つです。

①ももこさんはまる子そのもの!
②息子さんがいる
③ゆるい世界観を作ってくれている

詳しく見ていきましょう。

①ももこさんはまる子そのもの!

1つ目は、ももこさんがまる子そのものだったこと。考え方もゆるいし、ゲームをやるために、仕事を前倒しにしちゃうお茶目なところもそっくりです。

②息子さんがいる

そして2つ目は、息子さんがいたこと。子供がいて当然といえば、当然なのですが驚きました。2008年当時の息子さんは14歳、そしてももこさんは43歳。

まる子ちゃんだけを見ていると、一体何歳の人が書いていて、どんな生活を送っているかなんて想像しなかったから驚いてしまいました。そして、たまちゃんという実在の友達もいたことにもびっくり。

あとは、「さくらプロダクション」という会社を持っていたことにも驚き。日本を代表する漫画を書いているお方だから、自分の事務所があるのも当然なのですが、こういうことにも気づかないあたり、わたしってまだまだお子様だなぁと思ってしまいました。

だからと言って、ももこさんはゆるーく楽しそうに、自由に生きています。好きなことをするって本当に楽しそうで、素敵!ももこさんの生活を垣間見て、ますます、まるちゃんが好きになりました。

③ゆるい世界観を作ってくれている

一貫してゆるい世界だったのですが、あとがきで少し変わりました。世界情勢を心配するような発言をしているんです。

あ、ももこさんって、みんなに読みやすいようにこうしてゆるい世界観を作ってくれているけれど、本当は結構難しいことも考えてしまうような人なんじゃないか、って思っちゃいました。あとがきにもこう書いてあります。

私の仕事は、こんな時代でも少しは愉快な事を、皆様にお届けする事です。(P.130 あとがきより)

ももこの21世紀日記

エッセイを読んで、ますます、まるちゃんとさくらもももこさんが好きになりました。大人になってから「なんて素敵な世界観なんだ!!」と感動してアニメを見ながら泣きそうになってしまい、それからここ数年ちびまる子ちゃんが大好きです。

もっとまるちゃんの世界を好きになりたい人はぜひどうぞ。

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群ようこさんのミサコ、三十八歳。働くアフラフォー女性の小説【今日の本vol.63】

ぼんやりと考えごとをしたいときや、毎日に疲れて癒されたいときってありますよね。そんなときは群ようこさんの本がおすすめです。

こちらの記事は、群ようこさんの「ミサコ、三十八歳」をご紹介します。本のあらすじや感想・魅力をまとめました。

『ミサコ、三十八歳』のストーリー

「ミサコ、三十八歳」の主人公は、小説誌の副編集長をしているミサコ、38歳。ミサコは小説誌の副編集長としてバリバリ働くかたわら、年の離れたグラビアアイドルの妹や、一人暮らしをしている白髪のおかっぱ頭のお父さんのことも心配。そんな中での癒しは猫のあーちゃん。

あーちゃん、元気ねえ。いいねえ。かわいいでちゅねえ。

とおうちではあーちゃんのことを、デレデレの溺愛。あーちゃんは食べ物大好きのおデブちゃんでミサコにたくさん甘えて、ご満悦の様子です。結婚への願望もいまは落ち着いて、恋愛への理想も特になく、落ち着いてあーちゃんとの暮らしを楽しんでいます。

キャラクターが一人ひとり愛らしくて、チャーミングな人たちにあふれています。そんな人々に囲まれながらも、仕事、プライベート、家族と、心配事やときにはストレスも感じるミサコの日常が描かれています。

ミサコ、三十八歳の感想・魅力

「ミサコ、三十八歳」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。

①自分との距離の取り方が絶妙
②猫の救われる
③もっと軽くゆるく生きていける発見

それぞれについて見ていきましょう。

①自分との距離の取り方が絶妙

ミサコは自分との距離の取り方が絶妙です。悩みはあるけれど、あーちゃんと話すことや、テレビを観ることでストレス発散をしているのですが、とにかく気持ちの切り替えが上手。

どんなにイライラしているときや、夜でも、お手洗いや自室での行動を通して、うまーく気持ちを切り替えています。この気持ちの切り替え方は見習いたくなります。

②猫に救われる

2つ目の魅力は、猫に救われること!群さんの小説の主人公って「働くアラフォー女性 + おデブ猫」のイメージが強いのですが、みんな猫に救われています!そしてどんなにイライラしていても、自分との距離感が上手なので、感情に振り回されていないところもみていて清々しいのです。

③もっと軽くゆるく生きていける発見

そして最後は、もっと軽くゆるく生きたいなと思える発見があったこと!バリバリ働いているミサコのような女性でも、あーちゃんとのデレデレの時間があるからこそきっと頑張れる。頑張りすぎなくても大丈夫だし、ほのぼのした気分に浸れます。

ミサコ、三十八歳のまとめ

ミサコみたいな女性を知ることで、自分の人生のよい部分を見つけられそう!と思った小説でした。仕事をがんばっているアラフォー女性や猫好き、家族との関係に悩んでいる人にもおすすめです。

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言えないコトバ。益田ミリさんのエッセイマンガ本【今日のセレクト本vol.55】

恥ずかしかったり、カッコつけられてみられるのが嫌で、言えない言葉あるという人も多いはず。日常で気づかなかった考え方の発見ですよね。

そこでこちらの記事では、益田ミリさんの本「言えないコトバ」を特集しました。本のあらすじや感想・魅力をご紹介します。

言えないコトバのあらすじ

「言えないコトバ」は、「すーちゃん」シリーズで有名な益田ミリさんが、どうしても言う気がしなくて「言えないコトバ」をまとめたコトバ集です。たとえばミリさんにとっての言えないコトバは、こんなもの。

● おひや
● チャリ
● おあいそ
● 結婚しないんですか?
● さばさば
● 元気だけが取り柄です

など。共感できるものもあったけど、これも?って言うコトバもたくさんありました。

言えないコトバの感想・魅力

「言えないコトバ」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①違う見方ができる
②いきなり下ネタ?
③普段の会話を考えさせられる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

①違う見方ができる

1つ目は、違う見方ができること。たとえば「おひや」はミリさんにとって言えないコトバの一つです。ただの水なのに、場所によって名前を変えなければいけないことに戸惑ってしまうんだそう。

私は「おひや」は居酒屋で使って、「お水」はちょっとおしゃれなお店で使ってみたりと便利なコトバ。世の中にはこう言う風に考えている方もいるんだな!と勉強になりました。

②いきなり下ネタ?

2つ目は、気になりすぎたこと。どなたか、わたしの解釈があっているかどうか教えてほしいです。笑 ミリさんが、ピアスの穴を開けようかという話をクラスメイトの女の子たちとおしゃべりしていたときのこと。その中のひとりが

親からもらった大事なカラダに傷つけたくないし

といったそう。それをすごくかっこいいと思ったミリさん。そのあとのページにこんな漫画が載っています。

・・・あれ?

これ、下ネタですよね?(笑)

・・・唐突すぎて笑えました。間違いではなければ、下ネタのはず。他に穴って鼻の穴くらいしか見当たらないし。誰かと確認をしたいです。切に!笑

③普段の会話を考えさせられる

そして3つ目は、普段の会話を考えさえられること。

この質問の意味がどうやっても通じない人が、必ずいます

とミリさんが紹介するくだりがあるのですが、もしかして私のことかもしれないと思ってしまいました。人からこう思われているのかもしれないという振り返るいいきっかけになるかもしれません!

言えないコトバのまとめ

言えないコトバは、ミリさんの弱いところを披露してくれているので読んだ人が共感しちゃうし「私も大丈夫かも♡」と、新しい気づきが詰まっています。自分の新しいキャラクターが発見できるかもしれませんね。

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益田ミリさんの今日の人生。共感しちゃう漫画エッセイ【今日のセレクト本vol.53】

人生について考えてしまうことありますよね。益田ミリさんの人生は、心が温かくなるようなほっこりが味わえます。

こちらの記事では、ミシマ社から出版されている益田ミリさんの「今日の人生」を特集しました。本のあらすじや感想、試し読みする方法をご紹介します。

 

今日の人生のあらすじ

 

「今日の人生」は、益田ミリさんの日常が描かれたマンガエッセイです。「今日の人生」をテーマにたくさんの日常が描かれています。たとえば以下のトピック。

● お父さんとの喧嘩
● 投げてしまった桃について考えるミリさん
● 仕事でインタビューされているときに考えていること
● イケメン編集者にお茶に誘われてウキウキ出かけるミリさん
● 電車に落ちていた太田胃散

など。本当にミリさんの日常が詰まっていて、考え方まで移植されてきそうなくらい、じっくりと味わうことができます。中でも朝から夜までの1日が印象的でした。

朝自転車でパンを買いに行って、身支度をしてから美術館へ。
お茶をしようとしたけれどやっぱりやめて(自由!笑)、ピアノのレッスンへ行き、リュックを買って、コートを買う。
その後、カツ丼とビールを飲みながら、仕事のメールを返信し、彼氏と合流。

作家さんだからか、とっても自由な1日です。なんとも心が豊かになるような毎日が描かれていて、じんわり心が温かくなるような人生が詰まっています。

ちなみに文庫本はまだ発売されていませんが、ミシマ社から新刊で「今日の人生2」が2020年10月10日に刊行予定です。楽しみ。

今日の人生の感想・魅力

今日の人生を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①人生に芸術が足りていないことに気づく
②もっと自由な選択をしていいことにハッとする
③心が喜ぶ選択をしたい

それぞれについて見ていきましょう。

①人生に芸術が足りていないことに気づく

ミリさんの先ほどのような1日をみてみると、わたしの日常には芸術が足りていないことに気づきました。ミリさんはよく美術館や展示会に足を運んでいるみたい。

漫画家だからそうなのかもしれませんが、もっと身近に芸術を感じても良いのではないかと思ってしまいました!美術館は自分から進んでここ数年行っていないし、展示会も親と一緒のときに付き添いで寄るくらい。

②もっと自由な選択をしていいことにハッとする

ミリさんの生活を見ていると「なんとなく、一つ一つの選択に我慢しすぎていないか?」ということにハッとさせられます。お父さんと喧嘩をして早めに大阪から東京へと戻ってきたミリさん。

このまま帰るのももやもやしたのか、東京に家があるのに、東京にホテルをとってルームサービスで夕食をとっています。なんと自由な!お金に余裕があるのかもしれないけれど、こういう素敵な選択を私もしたいものです。

それからもう一つ、岐阜市中央図書館がものすごく良いという噂を聞きつけたミリさん。3日間読書三昧するひとり合宿を行いました。無料の図書館に行くために、3日間という時間と交通費と宿泊費を割くあたりが贅沢すぎます。

③心が喜ぶ選択をしたい

そして3つ目は、心が喜ぶ選択をしたいなと思えたこと。今の仕事や環境は、自分が作り出してきたもので、昔に比べてずっと心地が良いし、満足しているつもり。だけど、まだまだ足りないものはある。

だからもっと感謝をしながら、自分の思い描く世界を作っていきたいなと思ったのでした。

今日の人生を試し読みする方法

出版社ミシマ社が運営する「みんなのミシマガジン」というウェブ雑誌に、益田ミリさんの「今日の人生」が連載されています。ページがそのまま掲載されているので、気になる人はチェックしてみてください。とてもかわいいです。

今日の人生 益田ミリ

今日の人生のまとめ

今日の人生は漫画なのでスルスルと読みやすく、かみしめながらなんども読みたくなるような味わい深い一冊です。「共感する」「わかる」という女性からの声が多い人気本。ぜひ手に取ってみてください。

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理解という名の愛がほしい。山田ズーニーさんのおすすめ本【今日のセレクト本vol.52】

コミュニケーションって難しく感じるときがありますよね。人に見られたくない側面や、考えたくない深い部分をえぐるような骨太エッセイで元気を出しましょう。

そこでこちらの記事では、山田ズーニーさんの「理解という名の愛がほしい。」をご紹介します。文庫本の内容やあらすじ、感想・魅力をまとめました。家族との関係をよくしたい人、人をもっと好きになりたい人にもおすすめです。

理解という名の愛がほしい。の内容・あらすじ

「理解という名の愛がほしい。」は、ほぼ日刊イトイ新聞で掲載している「おとなの小論文教室。」の人気コラムをまとめた1冊です。「居場所がなくてもだいじょうぶ!あなたには表現力がある。」と孤独の哀しみを乗り越えて、心で通じ会う人とつながるレッスンを教えてくれます。

ストレスを田舎から出てきた親に当たってしまった後の心の葛藤や、反発してきた生徒への対処法など。誰にでもありそうな日常を、そのときズーニーさんがどう感じて、どう対処したかが記されています。

勇気を持って人と繋がる方法を、大きなテーマとして取り上げているので、一冊読み終わるとスーッと納得できるような前向きな気持ちになります。2006年3月に単行本、2018年3月に文庫本が出版されました。

著者の山田ズーニーさんとは?

山田ズーニーさんは岡山県出身んお文章表現・コミュニケーションインストラクターの女性です。「あなたの話はなぜ通じないのか」「おとなの進路教室」「おとなの小論文教室」を手がけていて、1961年の現在59歳。ちなみにズーニーとは、北インドのカシミール地方で地元の人に名付けられたカシミール語の「月」という意味なのだそう。

ほぼ日刊トイトイ新聞とは?

「ほぼ日刊トイトイ新聞」とは、コピーライターの糸井重里さんが主宰のウェブサイト。1998年6月6日創刊以来、1日も休まずに毎日更新を続けている(!)という無料コンテンツです。

理解という名の愛がほしい。の感想・魅力

「理解という名の愛がほしい」を読んだ感想と魅力をまとめると、以下の3つ。

①考える筋肉がつくコラム
②コミュニケーションのプロの技術が学べる
③読後に前向きな気持ちになれる

それぞれについて、見ていきましょう。

①考える筋肉がつくコラム

1つ目は、考える筋肉がつくコラムだということ。途中途中に、読者からのメールが織り込まれていて、感想やそのエッセイにまつわる自分の話を打ち明けるメールがほとんどなので、読者と書き手のやりとりが伝わるエッセイだとわかります。

メールを読んでいて、2回も泣きそうになりました。中でも電車の遅延時、緊急で対処した30代の駅員さんの話が印象的でした。

遅延によりホームに溢れかえった人たち、そこに電車がやってくるというシーンです。パニック寸前の人たちの視線が一気に駅員さんに集まります。
そこで駅員さんは独断で「電車を止めます」という決断をし、アナウンスをします。
一人の車掌さんにかかった責任、とっさの電車の緊急停止を決断するアナウンスを聞いて安心する人々、見守る周りの人、そして「泣きたいよね」と気持ちに共感する人。たくさんの人たちでホームがあふれています。

パニックの渦中にいながら、さまざまな人たちを観察する当事者の気持ちが揺れ動く姿がありありと描かれています。車掌さんと同世代のわたしが、実際あの場にいたら同じようなことができたのか?とも考えてしまいました。

あとがきに「考える筋肉がつくコラム」とあったけど、その通りでした。

②コミュニケーションのプロの技術が学べる

2つ目は、コミュニケーションのプロの技術が学べること。たとえば最近は深く考えないことで、ストレスの軽減をすることを実践していた私ですが、改めてプロフェッショナルの人の文献を読むことが大切だとういことに気づけました。

自分にないエッセンスを取り入れることで、より周りの人の悩みを知るチャンスになるはずです。

③読後に前向きな気持ちになれる

最後は、読後に前向きな気持ちになれること。人に理解されたいと思う気持ちはきっと誰にでもあると思いますし、愛されたいなら自分から、一歩は自分で踏み出そうと勇気がもらえます。

表現の先には理解がある、理解には愛がある。そのつながりが居場所になる。あなたには表現力がある。

表現力があるかないかではなく、表現力があるということを信じていくこと。それが愛してもらうこと、居場所を作ることにつながるんだということを改めて感じることができたのでした。

理解という名の愛がほしい。のまとめ

「理解という名の愛がほしい」というタイトルは理解しづらいかもしれませんが、読み終わると「そいうことね!」と妙に納得します。

勇気が出ないと進めないけれど、いろいろなことを勇気を持って一歩進んでみたら、意外にうまくいくかもしれません。周りの人とのコミュニケーションや愛情を深めていけたら素敵です。人間関係を見直したくなったら手に取ってみてください。

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旅に出る勇気をくれる小説!スーツケースの半分は【今日のセレクト本vol.70】

旅に出たくなるときってありますよね。「なんか呼んでる気がする!」とスッとその場所に行けたら素敵です。

こちらの記事では、近藤史恵さんの小説「スーツケースの半分は」をご紹介します。本のあらすじや内容、感想・魅力をまとめました。

スーツケースの半分はのあらすじ

「スーツケースの半分は」は、青いスーツケースを中心に、9つの物語が繰り広げられる小説です。もうすぐ30歳になる、真美(まみ)は、まだ海外旅行に行ったことがありません。新婚旅行ではニューヨークに行きたかったのに、日程が足りずにも竹富島へ。

しばらくしたら夫の武文も、一緒にニューヨークに行ってくれると言っていたのに、提案したら「定年したら」と言われてしまいます。そんなときに行ったフリーマーケットで出会った青いスーツケースに一目惚れをし、持ち帰ることにしました。そして、夢だったニューヨークひとり旅へと旅立ちます。

青いスーツケースは「幸運のスーツケース」になる

真美がニューヨークから帰ってきてから、仲良しの三人それぞれにスーツケースを貸すことになります。すると、良いことがたくさん起こる、起こる。そこで「幸運のスーツケース」と呼ばれることになりました。

旅先は世界のあちこち

このスーツケースを中心に、9つの物語が繰り広げられます。香港、ドバイ、パリ、ドイツとたくさんの土地を旅して、それぞれの物語も楽しめます。その土地の空気がたっぷり感じられて、一緒に旅した気分になります。

2018年5月に祥伝社から発売され、2019年の第13回エキナカ書店大賞の大賞受賞に選ばれた作品です。文庫本なので、電車の中や自宅で気軽に旅気分が味わえますよ。

スーツケースの半分はの感想・魅力

「スーツケースの半分は」を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の2つ。

①ひとり旅のモヤモヤに共感
②ひとり旅の幸せに共感

読んでいて1番よかったのは、「ひとり旅のモヤモヤと幸せが、わかるー!!!」とすごく共感したところでした。それぞれについて見ていきましょう。

①ひとり旅のモヤモヤに共感

ひとり旅って、寂しいこともあるし、自分との戦いもいっぱいあります。知らない土地で押しつぶされそうになったり、言葉が通じなくて騙されそうになったり、時には差別も受けることも。

だけど、こんな辛いことは人に言ってもつまらないし、聞いた人も嫌な思いをするだろうなと思って、なかなか言いません。人によっては言うかもしれないけれど。笑 だからわたしにとっては、人に言わない内緒の部分。そこもたくさん現れています。

②ひとり旅の幸せに共感

でもその分いっぱいいい事もたくさんあって、ふとした人の優しさにほろり、としそうになることだって経験できます。これも一人で飛び出たから。

その勇気を持てた人だけが味わえるこの「葛藤」がすごく描かれていました。まだ、ひとり旅に出たことがないという人も、きっと擬似体験できると思います。このくらいなら大丈夫そう!と思えたら、あなたもきっと旅に出る事ができるはず。

スーツケースの半分はのまとめ

「スーツケースの半分は」は、ふわりと優しい気分になれます。猛烈に旅に出たくなるわけではないけれど、新しく一歩踏み出したくなる気分です。新しい一歩を踏み出したいときに、ぜひ手に取ってみてください。

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インドを旅した中谷美紀さん。女優の旅行記【今日のセレクト本vol.79】

「インドにひとり旅に行けるかな?」と不安な女子におすすめなのが、38日間かけてインドをひとり旅した中谷美紀さんの旅行記です。

こちらの記事では、中谷美紀さんの「インド旅行記1」をご紹介します。本の内容やあらすじ、感想・魅力をまとめました。

インド旅行記1の内容・あらすじ

「インド旅行記」は、38日間かけてインドを旅した中谷美紀さんの旅行記第1弾です。幻冬社から2006年8月に出版されました。

映画「嫌われ松子の一生」を撮り終わり、精魂疲れ果ててインドに旅立った中谷美紀さんは、チューブのわさびで体内消毒し、ウェットティッシュで隅から隅まで消毒しながらのひとり旅。それでも腹痛を起こしたり、パスポートを盗まれたりとすったもんだの旅行が待っています。

アグラーのタージマハル、ガンジス川で有名なヴァラナスィなど有名どころから、少しマイナーな土地までを網羅しているのが魅力。累計30万部のベストセラーで、第4巻までありそれぞれのタイトルは以下のとおり。

● 1巻 北インド編
● 2巻 南インド編
● 3巻 東・西インド編
● 4巻 写真編

インド旅行記1の感想・魅力

インド旅行記1の感想や魅力をまとめると、以下の4つです。

①女優とは思えない旅行記が面白い
②ヨガの聖地リシュケシュが魅力的
③バックパッカーの旅とはひとあじ違う
④インドの魅力は3年かけてみること

それぞれにてついて、詳しく見ていきましょう。

①女優とは思えない旅行記が面白い

まず1つ目は、女優とは思えない旅行記が面白いこと。あんなに綺麗な人がなぜインド!?と心惹かれたのですが、読んでいると、女優らしい気品さと落ち着き、ちょっとの大胆さを兼ね備えていました。

中谷さんは、わさびは殺菌力があることから、食べた後にはチューブのわさびを少しずつ食べて体内消毒。ちょっとしたことで、足先までウェットティッシュで除菌。舐められないように韓国人のフリをしたりと、地道な努力を続けながら旅をしているのが魅力的でした。

②ヨガの聖地リシュケシュが魅力的

そして2つ目は、ヨガの聖地リシュケシュが魅力的だということ。途中、リシュケシュの「アナンダ・イン・ヒマラヤ」というホテルに滞在しているのですが、読んでいて羨ましくて羨ましくてたまりませんでした。

中谷さんの具合が悪くなると、スタッフみんなで心配してくれるようなホスピタリティ。そして、ヨガ教室のプライベートレッスンも受けているのですが、そのラム先生という素敵なヨガの先生もいて、中谷さんは完全にラム先生を信頼していました。インドのマッサージも気持ちよさそう。

ごはんの記述もとても細かくて、よくこんなに覚えていられるな〜というほど。ベジタリアンを貫いている中谷さんもかっこよくて、大人になってからインド料理の魅力を再確認できるような感覚。私も訪れてみたくなりました。

③バックパッカーの旅とはひとあじ違う

そして3つ目は、バックパッカーの旅とはひとあじ違うこと。大女優さんだけあって、もちろんお金持ちの旅をしています。駅での移動はポーターが荷物を持ってくれ、ひとり旅といっても現地で必ずガイドを雇って、専属ドライバーに連れってってもらいます。

インドにバックパッカーで訪れた私は「これでひとり旅といえるのか」という気持ちでしたが、だんだん「お金を持っているんだからそれでもいいじゃないか!」という気持ちになりました。お金を払っているからこそ、中谷さんはインド人のホスピタリティや優しさに出会える瞬間が増えるのだと感じます。

もちろん下痢になったり、詐欺にあう危険はお金持ちも貧乏旅行も同じだと思うので、そこはインド旅行の注意点です。インド旅行の口コミに「インドに二度と行かない」「最悪」と怖い経験がつづられることがありますが、中谷さんも私もそれは感じなかったのは共通見解!興味がある人は一度トライしてみることをおすすめします。

④インドの魅力は3年かけてみること

最後は、インドの魅力は3年かけてみること。中谷さんはインドのガイド、グプタさんにこう言われます。

インドを全部見るのに3ヶ月。インドを全部知るのに3年かかると言われています(P.206)

南インドと北インドだけでも全然違うのに、インドの魅力って果たしてわかる時が来るのでしょうか!?日本の魅力を知るにしても、30年生きてきてもいまだに「なんて素敵な日本の風景があるんだ!」と感動してしまうことがたくさん会って一体何年かかるんだろうっていうくらいなのに。

インドはもっと混沌としていそうなんですよね!中谷さんはその後3回訪れているようなので続きも読んでみたいです。

インド旅行記1のまとめ

インド旅行記1は、あの大女優中谷美紀さんでもインドをひとり旅しちゃうんだという意外性と、インドの人々の優しさの中でたくましくサバイブする様子が描かれています。インドに行ってみたい女子はぜひ旅気分を味わってみてください。

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今日のハチミツ、あしたの私。アラサー女子共感間違いなし小説【今日の本vol.82】

「一気読みできるような小説がないかな〜」とついつい、探してしまうという方。面白くない本に当たってしまうと、ガッカリ感が半端ないですよね。

そんなときにおすすめなのが、寺地はるなさんの「今日のハチミツ、あしたの私」です。本のあらすじ、感想・魅力をご紹介します。

今日のハチミツ、あしたの私のあらすじ

「今日のハチミツ、あしたの私」の主人公の30歳の碧(みどり)。仕事をやめて彼の故郷に行くことになりましたが、結婚するつもりでいったものの、彼は頼りないし、そんなにスムーズにことは進まず。

なんと、ひょんなことから、蜂蜜園のお手伝いをすることになったのです。そこから碧の運命は、思わぬ方向へと、進み始めるという長編小説です。文庫本も出ているので、気軽に読むことができます。

今日のハチミツ、あしたの私の感想・魅力

今日のハチミツ、あしたの私を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①なんと一晩で一気読み!
②アラサー女子が共感してしまう碧ちゃん
③ハチミツの知らない世界

それぞれについて見ていきましょう。

①なんと一晩で一気読み!

なんと、一晩で一気読みしてしまいました。この本、買ったときには「おいしそ〜♡」とそれだけで手に取りました。笑

しかし、読み始めたら、そんな穏やかなものではありませんでした。お風呂で読み始めたら、そのまま止まらなくなり、急いで髪を乾かして、ベッドへ直行。最後まで読み切ってしまったのです。あー寝不足。笑

②アラサー女子が共感してしまう碧ちゃん

2つ目の魅力は、アラサー女子が碧ちゃんに共感必至なこと。碧ちゃんの年が近かったことと、どこにでもいそうな碧ちゃんが、少し自分と重なるからなのかな、と思います。目を離せなくなるんです。

蜂蜜をもうひと匙足せば、たぶんあなたのあしたは今日より良くなるから

中学生の碧ちゃんに向けて、この一言をかけた女性。本の序盤で出てくるのですが、この女性が出てきてから、ページを読む手が止まらなくなり、そのまま一気読みしてしまいました!

どこにでもいそうな碧ちゃんの、少しだけ突拍子もない行動に目が離せなくて、応援する気持ちでした。恋愛も、結婚も、人間関係も、生きることも、一緒になって考えてしまいました。

③ハチミツの知らない世界

そして3つ目は、ハチミツの知らない世界を知れること。なんと、一匹のミツバチが一生に作れるハチミツは、たったひと匙なのだそうです!一生で作れるのが、なんとスプーン一杯。

これを読むと、なんと貴重なハチミツなのかもわかるし、養蜂園の方々が、愛情を込めて蜂たちを育てているのもわかります。もっとハチミツを大切に食べたいと思うのでした。健康にもいいしね。

しかも、蜂蜜料理もこんなにレパートリーがあったとは知らず、思わず作って食べたくなってしまいました。ハニーマスタードチキンとか、ハニーレモンソーダとかおいしそうすぎて、たまらんのです♡

今日のハチミツ、あしたの私のまとめ

私は大切な本を入れる本棚を入れる、「神棚」的なものを本棚の一角に作っているのですが、まさにこの本もそちらへ仲間入りしました。だって本当に心に響くような話だったのだもの。そう、心に響きました。

そっと心に寄り添ってくれるような、大切なものを気づかせてくれるような、言葉はどれも優しいのに、強い芯を感じるようなお話でした。

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山の空気が味わえる山女日記。NHKドラマの原作小説【今日のセレクト本vol.58】

NHKでドラマ化された「山女日記」をみて、原作を読んでみたいという人も多いのでは?山ガールたちが主人公の小説です。

こちらの記事では、湊かなえさんの『山女日記』をご紹介します。本のあらすじ、感想や魅力、ドラマのあらすじ・キャストをまとめました。

「山女日記」のあらすじ

「山女日記」は、山を登る女子たちの物語です。仕事をしながら、せっかくできた休日に山を楽しむ彼女たちですが、それぞれ悩みもつきません。結婚への違和感、離婚の危機、姉とのすれ違い、失恋など…。それぞれの主人公が、8つの山を登りながら悩みと向き合っていきます。

GINGER L.に連載された長編小説

「山女日記」は、湊かなえさんが季刊文芸誌「GIGER L.」の2012年春号〜2013年冬号に連載していた連作長編小説です。2014年7月に幻冬社から、山と渓谷に掲載された番外編を加えて、2016年8月に幻冬舎文庫で文庫化されました。

2016年にはBSプレミアムで連続7回、2017年10月・11月にはNGBSプレミアムでドラマ化された話題作です。

山女日記の感想・魅力

山女日記を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。

①山女日記というブログが気になる
②人間模様にグッとくる
③いろんな山を知れる

それぞれについて、詳しくみていきましょう。

①山女日記というブログが気になる

まずは山女日記というブログが気になること。本のタイトルにもなっている「山女日記」とは、山ガールたちに必要な情報が詰まったウェブサイトなんです。全ての登場人物たちがチェックしているということで、いろいろなお話に出てきます。

持っていった方が良いお菓子や、便利な道具、装備や服装、流行の帽子などが話題になっています。実際には存在しないんだろうけど気になってしまいます!

②人間模様にグッとくる

そして2つ目の魅力は、人間模様にグッと来ること。山を登るときには、そんなに仲の良くなかった子や、初めましての人と登ることになったとしても、山では「じゃあね」と見捨てることができません。

りっちゃんは、3人で登る予定だったのに、舞ちゃんが熱が出て来られなくなったので、苦手な由美と山登りをするハメになります!イライラすることもあるけれど、相手を思いやらなければいけない分、だんだんお互い言いたいことを言えるようになって、一緒に前に進んでいきながら仲を深めていきました。

山の険しさやハードさ以上に、人と人のつながりや、彼女たち自身が成長していく姿、みている景色を一緒に見られているような感覚など、たくさんの景色を見られるのが魅力です。

③いろんな山を知れる

そして3つ目は、いろんな山を知られること。北海道、新潟、長野、富山、神奈川と8つの山が出てくるこの作品。日本の山の他にも、ロードオブザリングの撮影地にもなったという、ニュージーランドのトンガリロという山まで登場します!

私のベストな山は神奈川県の「金時山」でした!舞ちゃん(先ほど熱を出してドタキャンした子)と大輔カップルが向かった山で、富士山に登りたかった舞ちゃんを、大輔がサプライズで連れてくるという山。二人の出会いのシーンも素敵だったし、山頂で大輔が舞ちゃんにいう言葉も素敵!

読んでいて気づいたのが、山を登っている時って、だれかと一緒にいたとしてもずっと喋っているわけにはいかない。ほとんどの時間が黙々と足を動かす時間になるんです。そこで誰とおしゃべりするのかと言うと、自分自身。自分との対話が中心になります。

山女日記ドラマのあらすじ・キャスト

最後に、山女日記のドラマのあらすじやキャストについて見ていきましょう。

ドラマのあらすじ

ドラマでは、会社員から登山ガイドに転身した立花柚月(工藤夕貴)が、さまざまな山をガイドします。全7回のなかで事件があったり、人間関係がこじれたりと、登山や景色だけでなく人間模様も見どころです。

2017年に放送されたプレミアムドラマでは、前編と後編に分かれていてそれぞれ以下の通りです。

● 前編 山フェスに行こう〜常念岳〜
● 後編 アルプスの女王〜燕岳〜

スタッフブログも書かれていて、ロケ地の様子なども写真で公開されています。

ドラマのキャスト

ドラマのキャストを一覧にまとめました。

立花柚月(工藤夕貴)
木嶋岳志(黄川田将也)
木嶋陽菜(夏菜)
如月直子(かたせ梨乃)
吉田真守(萩原聖人)

ちなみに柚月さんの衣装として使われた、パッチワークのキャスケットの帽子が話題になりました。

NHKオンデマンド

山女日記のまとめ

これだけ山の話を読んでいたら「山に行ってみたくなりました」と書きたくなるところですが、私はなりませんでした。笑

影響されやすい私も、山は別みたい。もしかしたら、あなたは山に行きたくなるかもしれません。よかったら感想を聞かせてくださいね。

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