家族の大切さをしみじみ感じる小説【今日のセレクト本vol.75】
こんにちは、みさと(@mitikusa_tweet)です。
家族と最近話をしましたか?色々な家族の形があると思いますが、誰にでも家族のありがたみを感じる瞬間ってあると思います。
普段はなかなか感じることができないけれど、小説で改めて読んでみると、家族の良さを改めて感じることができるかも!♡
今日はそんな一冊をご紹介します。
奥田英朗さんの『我が家のヒミツ』のあらすじ
敦美(31)は、東京・広尾にある歯科医院の受付として働いています。
そこに大好きなピアニストの大西文雄が、親知らずが痛いと診療にきます。
ファンとしてこっそりと、コンサートのスケジュールと抜歯の日を調整しながら、彼のことを応援しています♡
だけど家では不妊疑惑があり、夫と子供の話はなんとなく避けている状態。義母からもプッシュがあり、私生活では悩むこともしばしば・・・。
他にも、53歳で出世争いに負けた正雄、16歳で実父に会いに行くアンナなど、いろんな家族の6つの短編集です。
世代も男性・女性と様々な人たちの家族にまつわる物語で、誰かしらに自分を重ねてしまいそうになります。
奥田英朗、女性説
奥田英朗さんといえば『ガール』。
これを読んだとき、わたしは20代でしたが、アラサー女性たちの心理をピッタリと当てていて、まさにわたしではないか!?と思うほどのストーリーに釘付けになりました!
そのとき奥田英朗さんは、男性だと思っていたけれど、女性ではないかという情報が出ていて、わたしもまことしやかに信じてしまいました。
もう、男性でも女性でもどっちでも良かったんだけど、それはそれは心理描写がうまい方だなと思っていました。
それが今回読んで見て、表紙を開けたら奥田英朗さんの写真が出ていて、答えが出ました\( ˆoˆ )/
男性だった!
良かった。
謎が一つとけた。
なぜ、わたしのことを書いてるの?と錯覚してしまうのか
最後のあとがきで、大谷博子さんが「奥田英朗は「なぜそんなに人の気持ちがわかるのか」」ということに言及しています。
細やかなディテールを重ねることにより、読者を登場人物の気持ちに入り込ませているのである。アンナが舞い上がり調子に乗る描写も、周囲が他人の不幸を忘れるスピードの速さに亨が驚く様子も、具体的なエピソードを細やかに描くことで読者が彼らの気持ちを自分に重ね合わせるのりしろを作る。これが奥田英朗の腕なのだ。
と。描写自体が、わたしたちが感情を寄せてしまうスキルだったんですね。
わたしにはまだまだ分からない技術ですが、もう一度「ガール」を再読したくなりました。
世界一周中に日本人宿で出会った奥田ワールド
この本は、実は「家日和 (集英社文庫)」「我が家の問題 (集英社文庫)」とシリーズになっている第3弾。←短編だから読んでいなくてももちろん楽しめます。
初めて出会ったのは、世界一周中にステイしていた、ヨルダンの日本人宿の本でした。
「面白そう」というよりも、日本語に飢えてて手に取りました。すると、期待以上に奥田さんワールドにハマってしまいました。
奇跡的に前作2作ともを海外で見つけることができて、むさぶるように読みました。
そんなことも思い出して幸せな気持ちになりました!♡
みんなそれぞれ抱えているものも違うけれど、最後は助け合うのが家族。家族って大事だなぁとしみじみしてしまう一冊です。
ちょうど先ほど叔母から電話がかかってきて、10年ぶりくらいに話ができたのも重なり、家族のありがたみをひしひしと感じています♡
こんな人におすすめ
- 家族が大好き
- 自分以外の家族が何を考えているのか気になる
- 最近家族に会ってないな〜
- 色々な家族の形があってもいいってことを知りたい!