山の空気が味わえる山女日記。NHKドラマの原作小説【今日のセレクト本vol.58】
NHKでドラマ化された「山女日記」をみて、原作を読んでみたいという人も多いのでは?山ガールたちが主人公の小説です。
こちらの記事では、湊かなえさんの『山女日記』をご紹介します。本のあらすじ、感想や魅力、ドラマのあらすじ・キャストをまとめました。
目次
「山女日記」のあらすじ
「山女日記」は、山を登る女子たちの物語です。仕事をしながら、せっかくできた休日に山を楽しむ彼女たちですが、それぞれ悩みもつきません。結婚への違和感、離婚の危機、姉とのすれ違い、失恋など…。それぞれの主人公が、8つの山を登りながら悩みと向き合っていきます。
GINGER L.に連載された長編小説
「山女日記」は、湊かなえさんが季刊文芸誌「GIGER L.」の2012年春号〜2013年冬号に連載していた連作長編小説です。2014年7月に幻冬社から、山と渓谷に掲載された番外編を加えて、2016年8月に幻冬舎文庫で文庫化されました。
2016年にはBSプレミアムで連続7回、2017年10月・11月にはNGBSプレミアムでドラマ化された話題作です。
山女日記の感想・魅力
山女日記を読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つ。
①山女日記というブログが気になる
②人間模様にグッとくる
③いろんな山を知れる
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
①山女日記というブログが気になる
まずは山女日記というブログが気になること。本のタイトルにもなっている「山女日記」とは、山ガールたちに必要な情報が詰まったウェブサイトなんです。全ての登場人物たちがチェックしているということで、いろいろなお話に出てきます。
持っていった方が良いお菓子や、便利な道具、装備や服装、流行の帽子などが話題になっています。実際には存在しないんだろうけど気になってしまいます!
②人間模様にグッとくる
そして2つ目の魅力は、人間模様にグッと来ること。山を登るときには、そんなに仲の良くなかった子や、初めましての人と登ることになったとしても、山では「じゃあね」と見捨てることができません。
りっちゃんは、3人で登る予定だったのに、舞ちゃんが熱が出て来られなくなったので、苦手な由美と山登りをするハメになります!イライラすることもあるけれど、相手を思いやらなければいけない分、だんだんお互い言いたいことを言えるようになって、一緒に前に進んでいきながら仲を深めていきました。
山の険しさやハードさ以上に、人と人のつながりや、彼女たち自身が成長していく姿、みている景色を一緒に見られているような感覚など、たくさんの景色を見られるのが魅力です。
③いろんな山を知れる
そして3つ目は、いろんな山を知られること。北海道、新潟、長野、富山、神奈川と8つの山が出てくるこの作品。日本の山の他にも、ロードオブザリングの撮影地にもなったという、ニュージーランドのトンガリロという山まで登場します!
私のベストな山は神奈川県の「金時山」でした!舞ちゃん(先ほど熱を出してドタキャンした子)と大輔カップルが向かった山で、富士山に登りたかった舞ちゃんを、大輔がサプライズで連れてくるという山。二人の出会いのシーンも素敵だったし、山頂で大輔が舞ちゃんにいう言葉も素敵!
読んでいて気づいたのが、山を登っている時って、だれかと一緒にいたとしてもずっと喋っているわけにはいかない。ほとんどの時間が黙々と足を動かす時間になるんです。そこで誰とおしゃべりするのかと言うと、自分自身。自分との対話が中心になります。
山女日記ドラマのあらすじ・キャスト
最後に、山女日記のドラマのあらすじやキャストについて見ていきましょう。
ドラマのあらすじ
ドラマでは、会社員から登山ガイドに転身した立花柚月(工藤夕貴)が、さまざまな山をガイドします。全7回のなかで事件があったり、人間関係がこじれたりと、登山や景色だけでなく人間模様も見どころです。
2017年に放送されたプレミアムドラマでは、前編と後編に分かれていてそれぞれ以下の通りです。
● 前編 山フェスに行こう〜常念岳〜
● 後編 アルプスの女王〜燕岳〜
スタッフブログも書かれていて、ロケ地の様子なども写真で公開されています。
ドラマのキャスト
ドラマのキャストを一覧にまとめました。
立花柚月(工藤夕貴)
木嶋岳志(黄川田将也)
木嶋陽菜(夏菜)
如月直子(かたせ梨乃)
吉田真守(萩原聖人)
ちなみに柚月さんの衣装として使われた、パッチワークのキャスケットの帽子が話題になりました。
山女日記のまとめ
これだけ山の話を読んでいたら「山に行ってみたくなりました」と書きたくなるところですが、私はなりませんでした。笑
影響されやすい私も、山は別みたい。もしかしたら、あなたは山に行きたくなるかもしれません。よかったら感想を聞かせてくださいね。