面白い論文とツッコミが秀逸「ヘンな論文」【今日のセレクト本vol.12】

ヘンな論文のアイキャッチ
BOOK

世の中には変わった論文や面白い論文、ヘンな研究が行われていることをご存知ですか?クスッと笑える大真面目な珍論文を紹介してくれる本をご紹介します。

こちらの記事では、サンキュータツオさんの「ヘンな論文」をピックアップしました。内容やヘンな論文の目次、私なりの書評・感想をご紹介します。

「ヘンな論文」の内容

「ヘンな論文」は、珍論文ハンターのサンキュータツオさんが大真面目な珍論文を、芸人の嗅覚で突っ込んで解説してくれる知的なエンターテイメント本です。単行本、文庫本ともに発売されています。

ヘンな論文の目次

ヘンな論文の目次は以下のとおり。

「世間話」の研究
公園の斜面に座る「カップルの観察」
「浮気男」の頭の中
「あくび」はなぜうつる?
「コーヒーカップ」の音の科学
女子高生と「男子の目」
「猫の癒し」効果
「なぞかけ」の法則
「元近鉄ファン」の生態を探れ
現役「床山」アンケート
「しりとり」はどこまで続く?
「おっぱいの揺れ」とブラのずれ
「湯たんぽ」異聞

タイトルだけで面白そうですよね!これにサンキュータツオさんのツッコミが満載で、わかりやすく解説してくれています。

著者のサンキュータツオさんとは?

サンキュータツオさんは、「米粒写経」という名前でお笑い芸人をされているのですが、実はインテリな方。早稲田大学に18歳から32歳まで14年在籍していたというつわもの!専門は日本語学で、修士課程を卒業しています。

現在は芸人をするかたわら、一橋大学、早稲田大学、成城大学の非常勤講師もされています。先日は広辞苑の出版に合わせてテレビにも出られていました!ホンモノのインテリ芸人さんです。

ヘンな論文の書評・感想

ヘンな論文を読んで感じた魅力は、以下の3つ。

①論文が面白すぎる!
②タツオさんのツッコミが最高
③研究者への愛にあふれた解説

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

①論文が面白すぎる!

まず1つ目は、ピックアップしている論文が面白すぎること。普段論文を読まない人でも、思わず読みたくなってしまう面白い論文がたくさん集められています。たとえば以下のようなもの。

● 公園の斜面に座る「カップルの観察」
● 「浮気男」の頭の中
● 「なぞかけ」の法則
● 「しりとり」はどこまで続く?
● 「おっぱいの揺れ」とブラのずれ

とくに気になったのは「浮気男の頭の中」でしたが、それぞれが短く読みやすくまとめられているのでわかりやすいです。タツオさんの解説は論文の引用というよりは、ご自身の言葉で語りかけるように説明してくれているので読みやすいのが印象的でした。

②タツオさんのツッコミが最高

2つ目は、タツオさんのツッコミ。解説というよりもツッコミがやたらと入るので、「どういうこと?」「こんなことまで調べちゃうの?」と素人目線のこちらと同じ気持ちで話を進めてくれます。勉強や論文に抵抗がある方でもきっと大丈夫!

例えば「「おっぱいの揺れ」とブラのずれ」の論文では、研究の中で揺れるおっぱいに5つのマークをつけて、CCDカメラで測定して図にしている場面が出てきます。研究とはここまでするのか!と驚きですよね。

でもそれ以上にタツオさんのツッコミにも驚かされます。その図が紹介されているのですが、そのキャプションに書いてある言葉が

この図を見て揺れを想像すべし!

笑えます。自虐に包まれたツッコミは、さぞモテないんだろうなということを思いながら読んでしまいます(失礼)。本当はどうなんでしょうか?

③研究者への愛にあふれた解説

そして3つ目は、研究者への愛にあふれた解説をしていること。言いたい放題にも聞こえるツッコミをしているタツオさんですが、コラムの中では研究者の先生たちへの愛情に包まれています。

ときには世の中へ厳しい指摘をしていることもあり、私も本好きとしては身が引き締まる思いでした!知的な本を読みたい人、勉強したいけど気軽に読める本を探している人にぴったりでしょう。世の中の面白い部分を見たい人や、話題作りのネタを探している人にもいいかもしれません。

ヘンな論文のまとめ

ヘンな論文はツッコミどころ満載な論文をわかりやすく解説してくれる面白い本です。大人気で、続編「もっとヘンな論文」も出版されているので、気に入った人は好奇心の世界を広げてみてくださいね。


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misato

管理人のみさとです。フリーランスのヨガインストラクターでライターをしているアラサー。年間150冊ほど本を読む読書好き、20代には女ひとりで世界一周をしました...

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