ゴッホの魅力がかる小説!たゆたえども沈まず【今日のセレクト本vol.17】
名作を読んで泣きたいときってありますよね。そんなときにおすすめなのが、画家ゴッホを題材にした小説です。
こちらの記事では、原田マハさんの「たゆたえども沈まず」をピックアップしました。ネタバレしないあらすじ、魅力をご紹介します。
たゆたえども沈まずのあらすじ
「たゆたえども沈まず」は、ゴッホを題材にしたアートフィクションの小説です。舞台はゴッホの生きていた1980年〜1990年代の19世紀末が描かれています。
私たちがパリの景色だと思っている「エッフェル塔」がちょうど建てられている時代です。物語に出てくるのは、ゴッホ、彼を支える弟のテオ、日本人画商の林忠正、助手の重吉。彼らが無名画家のゴッホに出会い、支えていく様子が描かれています。
現在は文庫も発売されています。
たゆたえども沈まずの魅力
たゆたえども沈まずの魅力は以下の3つ。
①日本美術とパリの関係が分かる
②ゴッホの絵の価値が伝わる
③パリに行きたくなる
詳しく解説していきます。
①日本美術とパリの関係が分かる
まず1つ目は、日本美術とパリの関係がわかること。パリでは当時「ジャポニズム」という日本美術が流行っていて、それに関わっていたのが日本人画商の忠正と重吉でした。ただ日本に住んでいるだけでは知ることができない、当時の美術史も垣間見ることができます。
②ゴッホの絵の価値が伝わる
そして2つ目は、ゴッホの絵の価値が伝わってくること。ゴッホは「生きている間に売れなかった画家」としても有名だと思います。それがどんなに辛くて、1つ1つの絵を苦労して生み出されたのかということが全然わかっていなかったことに気づきました。
当時は画家が一種の職業のようにいた時代。モネやマネ、ゴーギャンなども出てきます!(世界史で出てきた人物がいっぺんに出てくるからびっくり)貴族の中では絵を飾ることがステータスで、ご婦人たちは新しい絵を買うことを日常的に行っていました。
その中で1枚も売れない絵を描き続けるフィンセント。自分の才能を認められない苦悩は自分だけでなく、支える家族のテオも同じでした。フィンセント(ゴッホ)と弟のテオの絆が深くて、お互いを思いやる兄弟愛に涙しました。あーまた泣きそうです。
③パリに行きたくなる
読んでいるだけでパリにいるような気分に浸れた2日間でした。気になってどんどん読み進めてしまったからすぐ読み終わっちゃった。
パリにもゴッホ兄弟のふるさとオランダにも行ってみたい。下手したら暗くなりそうな題材を全然そんな空気にせず、美しく、毅然と、それぞれのキャラクターをきっとそのままに私たちに伝えてくれました。
涙涙で、また読みたいです。確実に私の今年のベスト本ランキングに入ってきそうな勢いです!マハさん天才!
たゆたえども沈まずのまとめ
たゆたえども沈まずは、涙ありの名言ありの素晴らしい小説でした。大切に大切に何度も読んでいきたいような物語。ゴッホを知らない人も、ゴッホがなんとなく好きだという人も、きっとさらに魅力に取り憑かれてしまうことでしょう!(こちらを読んでからゴッホ展に行ったら最高でした♡)