男女差別を学べる絵本「問題だらけの女性たち」【今日のセレクト本vol.48】

問題だらけの女性たちのアイキャッチ
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今の暮らしが「当たり前」だということに慣れてしまうと忘れがちな、歴史の問題。今回はつい200年前までされていた「男女差別」について、皮肉たっぷりに描かれた絵本をご紹介します。

とても読みやすくて、それでいてジェンダー問題について考えさせられる作品、ジャッキー・フレミングさんの「問題だらけの女性たち」です。教科書や学校の教材になったら良いのにというほど、勉強になりました。

「問題だらけの女性たち」のストーリー

「問題だらけの女性たち」は、19世紀の女性たちが受けていた男女差別を描いたイギリス発の大人のジェンダー絵本です。もともと英語で描かれていて、ユーモアと皮肉がたっぷりで読みやすいことが魅力。1ページ目から度肝を抜くような内容から始まります。

かつて世界には女性が存在していませんでした。だから歴史の授業で女性の偉人について習わないのです。男性は存在し、その多くが天才でした。

歴史から女性が排除されていたことがよくわかります。少しだけ読んで見てみてください。

女性ってこんな生き物だっけ?という特徴がたくさんのっています。当時の女性に対する認識について、もう少し抜粋してみましょう。

頭がとても小さかったので、刺繍とクロッケー以外のことはなんにもうまくできませんでした

頭が小さくて、貧弱で、何もできない女性たちは、「家庭の玉」の中で生きていく事になります。「家庭の玉」では育児や洗濯、掃除など、大して大変じゃない仕事が主な業務。

当時の女性たちの刺繍には、「HELP ME(助けて)」や「so so bored(めちゃくちゃ退屈)」などのメッセージも残されています。

当時の女性は精神薄弱だったので、教育を必要としませんでした。女性の脳は小さいだけでなく、柔らかい、スポンジのような軽い素材でできていました。娘たちは刺繍のステッチを60種類覚えてしまうと、もうそれで脳みそがパンパンになってしまいました。

ほかにも

ものを考えることは出産の妨げになる

ということで文字を書くことは冷ややかな目で見られていたり

女性はたいてい集中力に欠ける

ということで勉強もさせてもらえない状態でした。

あの有名なルソーやダーウィンでさえ、女性に差別的でした!たった200年前まで、こんな女性差別が当たり前、迷信や固定観念が当たり前の世界だったようです。今考えるとあまりにもひどい女性差別ですが、当時は当たり前だったと思うと悔しさがこみ上げます。

歴史を振り返ることは、今の時代に感謝できること

空の画像

いくらユーモアや風刺の内容だとわかっていても、女性のわたしとしては少し腹立たしい世界に感じてしまいました。女性があまりにも蔑まれていて、惨めな状況におかれすぎています。

あの天才ダーウィンですら、女性のことをこんな風に語ったようです。

著名な男性と著名な女性のリストをくらえてみれば、男性が全てにおいて優れていることは明白

でもそれはそのはず!だって勉強すらさせてもらえない状況に女性が追い詰められているんだから。たった200年前までこんな状態だったなんて信じられませんでした。しかも、先進国のオシャレ代表な街イギリスで。アフリカの女性差別が少し前に話題になりましたが、イギリスだって少し前までこんなに女性差別が行われていたとは知りませんでした。

日本や現代社会と比較すると、幸せ感度がグンと上がる

欧米は、日本よりも男女平等の世界だと思っていたけれど、日本の方がまだよかったのかもしれないと思ってしまいました。紫式部だって文字を書いて作品を残せているし、大奥だって女性の世界として華やかに成り立っていました。

今の世の中だって、「男女平等社会」とか「ダイバーシティ」とか、男女平等を唱えているけれど昔に比べたらまだマシなんだなと思うことができました。子供が生まれたら、女性の負担が大きくなるとはいえ、まだ昔よりは活躍の場もたくさんある現代。

女性だって社会の一員として働いていて、むしろ「女性が活躍している」ということが社会的にステータスになる時代になってきました。きっと、当時の女性たちからしたら、うらやましくて仕方がないチャンスに溢れている。歴史を振り返ることは、今の自分が幸せだと思えるし、未来に向けての希望も持てるから改めて大切だなと思いました。

「問題だらかの女性たち」で歴史を知ると未来が楽しみになる

19世紀からこの200年で大きくジェンダー問題が変化してくることがわかる絵本でした。教科書にしてもらいたいくらい、ジェンダー問題について真正面から向き合える本。

きっとこの先200年で、さらに未来は変わっていくでしょう。その未来に向けてわたしもビジョンを持っていきたいと思う。そんな決意ができました。また面白い本をご紹介していきますので、お楽しみに。

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misato

管理人のみさとです。フリーランスのヨガインストラクターでライターをしているアラサー。年間150冊ほど本を読む読書好き、20代には女ひとりで世界一周をしました...

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