ムーミン谷の夏まつり。名言にハッとする小説【今日のセレクト本vol.67】
アニメや映画でおなじみのムーミンですが、原作を読むのも素敵です。ムーミン谷の仲間たちに小説で会うことができます。こちらの記事ではトーベ・ヤンソンさん著の「ムーミン谷の夏まつり」を特集しました。本のあらすじ、感想や魅力、ムーミンの小説シリーズをご紹介します。
目次
ムーミン谷の夏まつりのあらすじ
ムーミン谷の夏まつりは、6月が舞台です。火山の噴火で大洪水が起こり、ムーミン一家のおうちは浸水してしまいます!ムーミン一家は屋根の上から穴を開けて、朝のコーヒーを飲むために、コーヒーセットを台所から泳いで取ってきます。優雅にお茶をしようとしますが、結局家も流されてしまうことに!そこで流れてきた他のおうちにお引越しすることになりました。そのおうちは、実はおうちではなく劇場で、みんなが劇を始めることになってしまったストーリー。
1964年翻訳出版の本
ムーミンの物語は、1964年に翻訳されてから55年以上もたっています!それが2019年に、言い回しや表現が現代版に書き換えられ、新版が発売されました。ムーミン谷の夏まつりは5作目です。
ムーミン谷の夏まつりの感想・魅力
ムーミン谷の夏まつりを読んだ感想や魅力をまとめると、以下の3つです。
1.意外にも現実的で刺激的
2.名言が登場する
3.後半がおもしろくて一気読み
それぞれについて、詳しく解説します。
1.意外にも現実的で刺激的
まずは以外にも現実的で、刺激的だったこと。ムーミンってもっと平和なファンタジーかと思っていたら、最初から家が流されるし、人の家にお引越ししてしまうし、意外性に溢れていました。逮捕されることもあって、ファンタジーの中に現実が突き刺さってくるような、不思議な感覚。でも良いところは、たとえ家が浸水したとしてもお茶にしようと優雅に過ごすこと。どんな環境でも、ポジティブに物事を捉えて、楽しくする姿はとても素敵でした。
2.名言が登場する
そして名言が登場することも魅力です。ちびのミイが眠くなったから寝たいというシーンで、スナフキンがこう言います。
そうかい。たいせつなのは、じぶんのしたいことを、じぶんで知ってるってことだよ(P.119)
現実世界では、我慢してしまうことや、じぶんの思い通りに行かずに相手に合わせたりすることも多いけれど、スナフキンは真実をついてきます。ハッとしてしまいました!他にもムーミンママがサンドイッチに書いてくれたメッセージや、フィリフヨンカが楽しくないことをしなくてもいいよとムーミントロールとスノークのおじょうさんが教えてあげることなど、たくさん良いシーンがありました。
3.後半がおもしろくて一気読み
実は「ムーミン谷の夏まつり」は5年以上前に購入したものでした。一度読んで挫折して、もう一度読んで挫折。3度目の挑戦でようやく読み切ることができました。後半からはおもしろくなって一気読みでした。
もし、おもしろくなかったら、この本をだいじにしまっておいて、大きくなってから、もう一度読んでください。きっと、ヤンソン作品のたのしさをわかってもらえると思います。
と、あとがきにあるのを見つけましたが、その通り。二度挫折した積ん読本でしたが、大人向きのメッセージもたくさん詰まっていて、今は楽しさがわかりました。
ムーミンの小説シリーズ
ムーミンの小説は本屋さんで見かけたことがある人も多いと思いますが、全貌がわからないという人のために、一覧にまとめました。
● ムーミン谷の彗星
● たのしいムーミン一家
● ムーミンパパの思い出
● ムーミン谷の夏まつり
● ムーミン谷の冬
● ムーミン谷の仲間たち
● ムーミンパパ海へいく
● ムーミン谷の十一月
● 小さなトロールと洪水
最後の「小さなトロールと大きな洪水」は、長年出版されなかった幻の作品ともいわれています。少しずつ集めてもたのしいし、なんと全巻セットもあるのでムーミン好きな人はこちらもどうぞ。
ムーミンの歴史については、公式サイトにも掲載されています。よかったら覗いてみてください。
ムーミン谷の夏まつりのまとめ
ムーミンは子どもから大人まで楽しめる作品で、ドキッとしてしまう名言もたくさん飛び出します。キャラクターの見た目のかわいいだけでなく、小説でムーミンの奥深さに触れてみるのもおもしろいです。
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ムーミンが好きな人は、こちらの本もおすすめです。ぜひ参考にしみてください。
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