小鳥「リボン」の愛がつまった本、つばさのおくりもの【今日のセレクト本vol.57】
動物の温かさを感じられる本が読みたいときにおすすめなのが、小川糸さんの「つばさのおくりもの」です。ペットをもっと大切にしたいと心が温かくなるのと同時に、愛情をもっと感じられます。動物好きな人、心温まるお話を読みたい人はグッとくること間違いなし。ネタバレしないあらすじや見所をご紹介します。
目次
「つばさのおくりもの」のあらすじ
『つばさのおくりもの』はオカメインコの「ぼく」の半生の物語。黄色い羽の、ほっぺのまるい印が目印のかわいい小鳥です。「ぼく」は、鳥たちの保護施設で出会ったヨウムのヤエさんからたくさんのことを教わります。
そして、新しい家族の元へと迎えられ、ママさんから「お帰りなさい」を言えるようにと言葉を教えてもらいます。そうして生活していくうちに、出会いと別れもありますが、「心の中では忘れなかった記憶=故郷と自分の名前」について気づいていきます。こちらの「ぼく」は、小川糸さんの『リボン』という小説の主人公、リボン目線の物語になっています。
リボンから見た世界は一生懸命
インコのリボン目線から見た世界は、生きるのに一生懸命で、周りのみんなが大好きのようでした。周りの人を大切にして、感謝して、何かに答えようと必死に頑張る。「無性の愛」ってこのことだなぁと、動物がますます好きになります。魅力は動物たちです。
魅力①裏表のないまっすぐな動物たち
「ぼく」は、昔の記憶はあまり残っていなくて、どんどん新しい記憶に書き換えられていきます。でも、胸の中に残っている温かい気持ちを大事。そして、新しい家族のことも大好きになろうと必死なのでした。
動物ってそうやって目の前のことに一生懸命で、人間に潜みがちな裏表の感情を抜きで生きています。翻って、わたしたち人間はなんて損得勘定に溢れているんだろう・・・とちょっと反省もしてしまいました。
魅力②愛犬に照らし合わせてホロリとしそうになる
そして、リボンの一生懸命さをみていると、ふと自分のペットにも重ねてしまうのでした。私は犬を飼っていますが、こんな風に、大好きで、温かい気持ちを抱いてくれて、安心してくれていたら嬉しいなあ!と思ってしまいました。もっと幸せにしなくちゃ!と改めて気づくことができたし、大切にしたい気持ちがまた生まれました。思わずペットに重ねてしまう瞬間がきっとあると思います。
「つばさのおくりもの」を10倍楽しむコツ
「つばさのおくりもの」を10倍楽しむコツは、ズバリ「リボン」を読むことです!「リボン」はリボンを巡る人間視点のお話。
「リボン」を読んでいると、この背景で人間がどういう状態で関わっていたのかということを知っているので、切ない気持ちも、リボンの健気さもとっても伝わってきます。
「つばさのおくりもの」は動物愛をもっと深められる
ぼくの世界はとっても繊細で、一生懸命で、守ってあげたくなってしまうほど、命というものを感じられました。小さい子に読んであげても素敵だし、大人がじっくりと味わうにも素敵な作品。
動物が大好き、健気で一生懸命な姿をみたい、温かい気持ちになりたい人にぴったりな作品です。親子、家族、仲の良い友人と共有するのも素敵ですね。